ロッテ小島和哉投手(26)は90球で7回のマウンドを終えてベンチへ戻ると、木村1軍投手コーチがブルペンへ電話する様子が見えた。

まだ投げたい-。「いきます」とキッパリ直訴したら「今日の出来で、逆に代えるタイミングはない」との言葉が返ってきたという。直後にレアードの逆転弾が。「(8回にも)行かせてもらった監督、投手コーチにもしっかりとした姿を見せたい」。8回のマウンドに堂々と向かい、今季2勝目を手放さなかった。

防御率2点台ながら、前半戦を終えて1勝7敗。打線の援護が少なかったのは間違いない事実ながら、本人は責任を己に求めた。「僕が勝てていないというよりも、僕が投げた試合で全部負けているので。チームが勝てるような試合に持っていけていないと思っているので」と話したこともある。責任感が強い。

掃除もした。映像はこま送りで何度も見直した。身につけるものの色も変えたりした。それでも最後は“強気”のキーワードにたどり着き、そうでなくなっている自身にも気付く。「僕とかは本当に、1人1人のバッターからしっかりアウトをとって、アウトを積み重ねることしか。その先を見てる余裕はないので」。

強気と表裏一体の“無防備”にならぬよう、徹底して備えた上で、次のマウンドへ向かう。次の打者へ、次の1球へ向かう。160キロも強烈な決め球もなくとも、仕事への高い意識が小島の芯として揺るがない。2勝7敗にして、防御率もパ・リーグ4位に躍り出た。【金子真仁】

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