西武中村剛也内野手(38)に「最も本塁打を打たれた男」が、そのすごみを明かした。日本ハム金子千尋投手(38)は450本塁打のうち、投手別最多の11本を献上した。同じ1983年生まれの強打者の怖さを、自虐を交えながら吐露。最後には、たまらず「お願い」も飛び出した!?【取材・構成=田中彩友美】

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中村選手には、常にひと振りで得点が入る怖さがあります。どのコースに投げても、ホームランを打てる感覚を持っていると思う。対戦するときはタイミングをずらしたいな、と思いますね。気持ち良く振らせたくない。どのバッターもそうなんですけど、特にそう思います。

配球や間合いなど、全部を駆使して勝負しないといけない。もちろんパワーもあるし、ちょっとくらいタイミングがずれてもホームランにするテクニックもある。いつもプレッシャーを感じながら投げています。

僕は都合の良い頭をしているので「このホームランが印象的だった」というのは覚えていないんですよね。いっぱい打たれているから…というのもあります(笑い)。でも、08年に顔に死球を当ててしまって。それはずっと頭にありますし、すごく申し訳ないと思っています。

イメージは初対戦からほぼ変わらないです。自分の形を崩さない。極端に言ったら、ホームランか三振か。ピッチャーに合わせて自分の打撃を変えることはしないので、崩れることがあんまりない。だから余計、厄介というか…。

打たれたくないんですけど、あれだけホームランを打っているバッター。現役が終わった時に「一番打たれたのは俺だぞ」と言えるくらい、これからもいっぱい打ってほしいと思います。僕以外から(笑い)。

高卒からプロに入って、僕より先に活躍していて、今もあの年で…意外と走れるし、守れるし。自分と同じ年なんですけど、打つだけじゃない、というのがすごいなと思います。もし機会があったら、正直なところ、何が一番打ちづらいか聞きたいですね。