10年ぶりにノーヒットノーランを喫した敗戦から一夜明け、ソフトバンク打線が鬱憤(うっぷん)を晴らした。11安打で6得点。けん引したのはドラフト2位の正木智也外野手(22)だ。0-0の3回1死。日本ハム先発の左腕・加藤の初球、136キロ直球を左翼スタンドに運んだ。

「第1打席の初球から振れる準備をしてきました」。出場3試合ぶりの1発で、プロ2号ソロが決勝点。前日27日は9回に代打で登場し、右飛に倒れて無安打無得点試合の苦杯をなめた。「昨日は悪い雰囲気で終わった。流れを変えるホームランが打てて良かったです」と笑顔だった。

次打席以降も全て左前打で、プロ初の4打数4安打と大当たり。柳田、周東、牧原大ら主力が新型コロナウイルス陽性判定で離脱の中、猛アピールだ。「主力組が帰ってきたら、2軍に落とされてしまうという危機感はずっと持ってます。1打席1打席無駄にせず、死ぬ気で立っていました」。一瞬に命をかけている。

1-0だった4回1死二塁の守備では、日本ハム古川裕の中前打を処理し、ホームに好返球。同点に追い付かれる危機を防ぎ、エース千賀をもり立てた。「正直全然覚えてないけど、それぐらい集中できた。千賀さんを助けることができて本当に良かったです」。即戦力ルーキーは、攻守で頼もしかった。【只松憲】

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