5位巨人が「ストップ・ザ・村神様」で再浮上を狙う。30日からのヤクルト2連戦(京セラドーム大阪)に向けて29日、遠征先の広島から大阪入り。連続出塁と連続安打のダブル日本記録更新&ゴジラ以来の日本人50号到達の期待がかかるヤクルト村上を、今季はチームで抑え込めている。初戦先発の菅野智之投手(32)がしっかり封じ、浮上への足掛かりにする。

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自然と苦笑いが出た。広島駅、上りの新幹線ホーム。村上の絶好調ぶりを聞かれた原監督は「まあ、今更じゃないから」と、表情を崩した。思わず笑ってしまうほど手に負えない状態にあるのは、間違いない。

だが、本音は別にある。現在の借金7の完済には、残り23試合で15勝8敗が最低ライン。投打がかみ合わない日々が続くが、原監督は「これから絡んでくるよ」と力を込めた。初戦先発の菅野が村上を中心とした燕打線を封じて連敗を止められれば、流れは一気に好転する-。「そうしたいね」。エースの、チームの底力を信じている。

データも巨人の背中を押す。菅野は今季、村上を7打数1安打ノーアーチと沈黙させており、前回登板では中日に8回2安打無失点と上昇ムード。「ヤクルト打線に対してしっかりと勝負して勝ちにつながる投球ができるように頑張ります」と必勝を期した。

本調子を欠いて好調中田の後ろを打つ岡本和は広島3連戦で打率5割と復調気配。2軍で再調整中のウォーカーも1軍に戻ってくる。3位阪神から最下位中日まで3・5ゲーム差。ここから上るか、下るか。「負けん気ですよ。それがあれば準備もいろんなことをやりますよ。それをやらないと終わるでしょう」。今季のスローガンは「不屈」。このままでは終われない。終わるつもりはない。【浜本卓也】

◆菅野対村上 連続打席出塁のプロ野球記録にあと1、連続打数安打記録にあと2と迫る村上に対し、ストッパーへ巨人菅野が立ちはだかる。菅野は村上を通算打率2割2分9厘(35打数8安打)、今季も単打1本の1割4分3厘(7打数1安打)に抑えている。まだ本塁打を打たれたことがなく、村上に1発を許していない投手の中で通算38打席は最多。