オリックスがロッテ佐々木朗希に初めて土をつけた。新型コロナ陽性で6試合離脱した中嶋監督の復帰戦を“金星”で飾った。

4月に完全試合を許すなど過去5戦4敗の天敵に対し、大胆な策に出た。初回先頭から2者連続で初球セーフティーバント。ともに佐々木朗にさばかれたが、ボディーブローになった。1巡目は3番吉田正、4番頓宮以外、7人が初球からバントの構え。球筋を見極めた。2巡目は一転、初球からガンガン打ちに出た。

作戦は5回に実った。先頭の頓宮が死球。続く宗が初球打ちの右前打で一、三塁。1死後、伏見がフォークに食らいつき遊ゴロで決勝点をもぎ取った。「当たれば何か起こると思っていた。非常によく食らいついた」と中嶋監督。3投手のリレーで1-0。これしかない勝ち方だった。

監督代行として3勝3敗で乗り切った水本ヘッドコーチは打線の仕かけについて「何かやらないととみんなで話し合ってトライした。成功したかはクエスチョンですが」と明かした。

1週間、都内で隔離されていた中嶋監督は「俺がいたらもっと負けていたと思う。(優勝争いが)競っている中でみんなが生き生きと野球をやっているのは非常にうれしい。改めて、それを感じた」と目を細めた。まさにチーム一丸。大きな白星だった。【柏原誠】

○…山崎福也投手が5回無失点で5勝目を挙げた。緩急をつけて粘り強く要所を抑え「相手が佐々木くんなので絶対に先制点はやれないという強い気持ちだった。監督が帰ってきて、みんな気合が入っていた」と笑った。山崎颯一郎投手が3回を1安打でつなぎ、9回は阿部翔太投手が無死二塁をしのいで派手にガッツポーズ。休養日の平野佳寿投手に代わる臨時の抑えだった右腕は、プロ2年目で初セーブを記録した。

▽オリックス高山投手コーチ(5回無失点の山崎福に) いい内容。前回ああいう形のリリーフ(28日西武戦で1回もたず5失点)でかなり落ち込んでいたけど、やり返しましたね。

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