神宮で新記録弾を打てば1億円の家ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、2試合ぶりの51号2ランを放ち、日本選手最多となる64年王貞治(巨人)のシーズン55本塁打まであと4本に迫った。5点を追う6回1死一塁、中日高橋宏からバックスクリーン左へ。この日、神宮球場で56号以降の本塁打を放てば、トップスポンサーのオープンハウスから「好立地の東京の家」(上限金額税込み1億円)が贈呈されると発表された。今季は残り10試合となった本拠で大きな“ご褒美”も狙っていく。

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5点差をつけられても「村神様」の集中力は途切れなかった。6回1死一塁、村上が高橋宏の2球目、外角141キロスプリットを捉え、バックスクリーン左へ突き刺した。「流れを引き戻したいと思い、打席に入りました」という1発で、02年松井秀喜(巨人)を超え、50年小鶴誠(松竹)の51発に並んだ。

ビッグボーナスが発表された約8時間後の“予行演習”だ。村上が神宮で放つ56号以降の本塁打に対し、トップスポンサー契約を結ぶオープンハウス社から「特別ホームラン賞」が贈られることが決定。バックスクリーン最上部の同社看板および、特設ホームランゾーン以外に入った本塁打が対象となり、51号は条件に当てはまる1発だった。達成の場合、立地や間取りはシーズン終了後に村上と相談し決定される(対象は最初の1本のみ)。

シーズン最終盤に設定されたボーナスに、村上は「すごく応援されてるなと思います」と気持ちを高めた。“世界の王”を超えて欲しいという思いがこもった企画。「たくさんの方々が僕の記録をサポートしてくれるということは、すごくやりがいがあることなので、それを意気に感じて頑張りたい」と話した。

シーズン本塁打で上にいるのはレジェンドばかり。「その位置にいれるというのはすごく光栄なこと。自分の中でそこ(56本塁打)は達成したいというか、肩を並べて、追いつけ追い越せと、やっていきたいなという思いはあります」とうなずいた。残り22試合で、本拠地は10戦。「目の前の試合を集中して、最後のご褒美だと思って頑張りたい」。チームのためのアーチで、大きなボーナスも手にする決意だ。【鈴木正章】

▼村上が今季51号。シーズン51本以上は13年バレンティン(ヤクルト=60本)以来9人、11度目で、日本人選手では85年落合(ロッテ=52本)以来5人、6度目。チーム121試合目の51号は3番目のスピードだ。この1発で村上は自身初のシーズン100得点を記録。22歳シーズンに100得点は94年イチロー(オリックス)の21歳に次ぎ、95年イチロー、10年坂本(巨人)ら4人に並ぶ年少2位タイ。02年松井(巨人)カブレラ(西武)以来4人、6度目となる同一シーズンに得点、打点、四球、三振の4部門が100以上の珍しい記録もつくった。

▽ヤクルト高津監督(村上の51号2ランに)「(中日)高橋(宏)投手、球の力があって変化球のキレもよくて、ランナーになることも難しかった。ムネがああやって1発で点を取ってくれるので、非常に大きな1発だったと思います」

○…苦手中日に対し連敗し、4カードぶりのカード負け越しとなった。先発原が6回途中8安打5失点で5敗目。高津監督は「早い回から失点してしまうと、なんとなく重い雰囲気になってしまう。ムネ(村上)の1発で、ちょっといけるんじゃないかなという感じにはなったんですけど、最初の1回と2回の失点は痛かったですね」と、序盤の2失点を悔やんだ。

○…山田が適時二塁打を放った。2点を追う4回無死一塁、中日高橋宏の4球目、151キロ直球をはじき返し、左翼フェンス直撃の適時二塁打。「3ボールだったので、ストレート一本に絞って迷わず打ちに行きました。長打になってくれてよかったです」と振り返った。キャプテンの復調に高津監督も「スイングも鋭くなってきたと思うし、体の状態も悪くないのかな」と納得の表情だった。

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