今季限りで引退する中日福留孝介外野手(45)を、中日OBの谷繁元信氏(51)が8日、ねぎらった。「同じ45歳で引退となったけど、やり切ったのではないかと思う」と、ともに超ベテランまで現役生活を続けたことに思いをはせた。

谷繁氏が中日に移籍した02年時は、福留がレギュラーをつかんだころ。「いろんなことを聞きに来た。『どう調整したらいいですか?』と体調管理のことは熱心に聞いてきて『人より早く来て、アップの前にジョギングを入れたりするといい』と伝えると、すぐに実践していた」と意識の高さを感じていた。

日米通算2450安打と残した数字は輝かしい。だがそれ以上に福留の価値は、逆境での強さにあるという。

谷繁氏 入団時は大型ショートで入ってきたが、挫折して外野手転向で才能が花開いた。メジャーではあまり納得いく成績が残せなかったと思うし、日本に戻ってきて阪神でも1年目は苦しんだが、もう1度盛り返した。順風満帆な野球人生のように見えて、苦労が多かったと思う。

同僚としてだけでなく、打者福留とも相対した。「いい打者の条件として、自分の打てるポイントを持っていた。外角の甘めのボールはかなり強かった。内角はファウルも取れたが、少しでも甘くなるとヒットにする技術を備えていた」。谷繁氏が横浜(現DeNA)に所属していた99~01年、福留が阪神に在籍していた13~15年に対戦。通算打率2割7分5厘、12本、57打点(谷繁欠場試合含む)と目を引く数字はないが、両者の激しい攻防の表れでもある。

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