<巨人3-2阪神>◇17日◇東京ドーム

阪神が17日の巨人戦(東京ドーム)に敗れ、リーグ優勝の可能性が消滅。17年連続のV逸が決まった。

2回に佐藤輝明内野手(23)の19号ソロで先制したが逆転負け。クライマックスシリーズ(CS)進出を争う4位広島、5位巨人に0・5差に迫られ、自力でのCS進出も消滅した。矢野燿大監督(53)がキャンプイン前日に今季限りでの退任を表明して始まった異例のシーズン。阪神は、なぜ優勝できなかったのか-。阪神担当キャップ桝井聡記者が要因を分析し、下克上日本一へ期待を込めた。

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春先のプロ野球は「最弱の虎」が話題だった。開幕戦の3月25日ヤクルト戦で7点差の大逆転負けを食らってから、まさかの9連敗。ベンチも選手も浮足立っていたのか。オープン戦登板2試合で開幕守護神に指名された新外国人ケラーが立て続けに炎上。投手起用が定まらずその後も歯止めがかからない。長いプロ野球の歴史でも初めてとなる「開幕17戦1勝」。勝率0割6分3厘という数字を記録してしまった。

批判の先は2カ月前の出来事に向かう。矢野監督がキャンプイン前日に今季限りの退任を表明。前代未聞だった。球団周辺からは「やっぱり、やる前から『今年で辞めます』っていうのは…」という声が聞こえてきたことも事実だ。さらには「(キャンプで)胴上げするとか、あり得ない。それは、やっぱり球団の指導力のなさ」という厳しい言葉も耳にした。ついに借金16。「途中解任」、「休養」など最悪の事態を想定してのシーズン序盤だった。

チームは強靱(きょうじん)な投手力を軸に前半戦で借金完済を成し遂げたが、8月に入って再び失速した。今季を象徴する数字が球団ワーストとなるシーズン25試合のゼロ封負けだろう。無抵抗な試合が目立った。大山、中野、近本ら主力野手の相次ぐコロナ罹患(りかん)も不運だった。ただ、勝負の夏に上昇カーブを描けなかったことは事実。キャンプから始まり、世紀の開幕ダッシュ失敗。そして、「2度目の失速」。指揮官もマネジメント力を問われる結果になってしまった。

まだシーズンは終わっていない。残り7試合。クライマックスシリーズからの日本一という道も残されている。数年後、矢野監督の最終年が「あの発言があったから」と片付けられるようでは、あまりにも寂しい。指揮官がたたき込んできた「超積極的」「諦めない精神」を最後に見たい。まだエンディングは書き換えられる。【阪神担当キャップ=桝井聡】

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