「村神様」から「代打の神様」につないだヤクルトが、延長12回の激闘の末、中日と引き分けた。12回2死、2打数無安打3四球だった村上宗隆内野手(22)が土壇場の第6打席で右翼線に二塁打を放って出塁すると、2死満塁から代打の川端慎吾内野手(34)が、一時勝ち越しとなる2点適時打を放った。その裏に守護神マクガフが打たれて白星は逃したが、2位DeNAが敗れたため、優勝マジックを「8」に減らした。

12回2死走者なし。村上が中日福に対しフルカウントからの6球目、外角低めスライダーを捉え、この日初安打となる二塁打で足がかりを作った。2四球で2死満塁とし、前日16日に1軍昇格した川端が、福の初球142キロの直球を中前へ運んだ。「四球の後だったので必ず初球ストライクを取りに来ると信じて、思い切って打ちにいきました」。三塁走者の村上は気合のこもった表情で一時勝ち越しとなるホームを踏んだ。

昨季は代打で3割6分6厘の高打率をマークし、「代打の神様」と言われた川端も、今季はこの日まで代打打率1割1分8厘と苦しんだ。正念場で勝負強さを見せたベテランに高津監督も「あそこを最初から振りにいけるのはすごいね」。起点となった主砲にも「アウトになると勝ちがなくなるわけで。そういうところからチャンスを作った」と評価した。村上の日本選手最多となる56号は持ち越しとなったが、頼れるベテランも底力を発揮。両リーグ一番乗りでCS進出が決定し、最短優勝は21日。2年連続リーグ制覇へ、残り13試合を戦い抜く。【鈴木正章】

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