楽天田中将大投手(33)が日米通算190勝目を挙げ、チームをAクラスへ押し上げた。1ゲーム差で追う3位西武との直接対決4連戦初戦。7回4安打無失点と好投し、今季9勝目を挙げた。前回登板では5回6失点の背信投球。日本では初の10敗目を喫していたが、汚名返上の投球で白星を手にした。敵地で先勝したチームは、ゲーム差なしながら、8月23日以来、25日ぶりに3位浮上した。

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初回のピンチが最大の難関だった。田中将は1死一、三塁で4番山川を迎えた。カウント1-1から低めへのツーシーム。三ゴロを打たせ併殺打に打ち取った。2回以降、得点圏に走者を背負ったのは1度だけ。「1イニング1イニング必死に投げていただけです」。

3点の援護を受けた直後の5回には、150キロ超えを2度マーク。そこにツーシームとカーブの変化球を織り交ぜ、打ち気のバットを小気味よく揺さぶった。

マウンドでの悔しさは、マウンドで返すしかなかった。1週間前、ロッテ戦で5回6失点の背信投球に「言葉になりません」と文字どおり、その悔しさを口にできなかった。日本では初めての10敗目。「今までもたくさん勝ったりしましたけど、たくさん失敗して、たくさん負けてもきました。その都度、前を向いて、次の試合に向けて準備して臨んできている」。グラブは「気分です」と、黒から茶色に変更。気持ちをリセットして臨んでいた。

勝ち負けを繰り返して、日米通算190勝までたどり着いた。節目の大台まであと10勝。「いろんな方々に感謝したいですし、やっぱり200という数字は意識するので、1つ1つまた積み重ねていきたいと思います」。Aクラス浮上のかかる西武との直接対決4連戦初戦で、大きな1勝を積み上げた。「自分自身、ふがいない投球が続いていましたし、この4連戦は非常に大事な連戦。その頭を何としても取るんだという強い気持ちだった」。チームは西武と入れ替わって3位浮上。先勝を収めた勢いで、第2ラウンドに臨む。【栗田成芳】

▽楽天石井GM兼監督(7回無失点で9勝目の田中将に)「初回にピンチがありましたけど、出だしの3回を将大的にもチーム的にも、うまく滑りだしてくれたので、それなりのいい戦いはできたのかなと思います」

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