オリックスが首位ソフトバンクとの3連戦に2連勝し、1ゲーム差に迫った。

先発の宮城大弥投手(21)が初の中5日で5回1安打無失点で11勝目。救援4投手も無失点でつなぎ、前日17日のエース山本の完封に続いて0封勝ちした。71勝目でシーズン勝ち越しを決定。7試合を残し、昨年の70勝を上回った。昨季覇者の意地でパ・リーグは再び大混戦になってきた。

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デスパイネのバットが空を切ると、中嶋監督は右こぶしを強く握り、何度も拍手をした。「本当によく全員が頑張った。これからのゲームが1つ1つ大事になってくる。それをみんなが理解している」と会心の試合を振り返った。

選手との信頼関係で千賀から白星を奪った。3回2死三塁から、この日1軍復帰した福田が千賀のフォークをしぶとく拾って先制の中前打。これが決勝点になった。福田はお立ち台で「覚えていない。あとで映像を見たら、ぶさいくでしたね」と真っ黒に日焼けした顔をほころばせた。

福田は7日の日本ハム戦(札幌ドーム)で痛恨の走塁ミスを犯した。中嶋監督は本人と話し合った上で10日間の再調整を選んだ。福田も「何とかして帰ってきます」と約束し、チームを離れていた。いきなり1番で起用した指揮官は「いい充電期間というかね。すんごい日焼けしてた」と笑った。4回には頓宮の中犠飛で2点目を加えた。

この2点を5投手で守った。先発の宮城はプロ初の中5日登板。4回2死満塁のピンチをしのぎ、5回1安打無失点と役割を果たした。ベンチは序盤での交代も想定していたというが、左腕は責任投球回数まで粘った。「本当はもう少し長いイニングを投げたかったけど、それでも何とか無失点でよかったと思います」と11勝目をかみしめた。

エース山本の完封に続き、今度は継投でソフトバンクを0封した。平野佳がこの日、体調不良で出場選手登録を外れた。それでも千賀を相手にベストの試合展開にした。「シーズンを通して全員元気っていうのはなかなかない。カバーしてくれた。よく頑張った」と指揮官。18個並べた「0」に昨季王者の意地が詰まっていた。【柏原誠】