2年連続のV逸決定という現実を、巨人原辰徳監督(64)は真正面から受け止めた。DeNAに競り負け、連勝も3で止まった。

試合後、厳しい表情を崩すことなく「可能性がある限り、ベストを尽くして戦っていくということですね」と言葉に力を込めた。CS進出、その先の日本一への挑戦権を得るための戦いへと、かじを切り替えていた。

原監督の第3次政権4年目、3年契約1年目の今季は若手の積極起用による「育成」と「勝利」を掲げた。開幕からここまで、プロ野球最多タイ記録の1シーズンの初勝利7人を記録するなど、若手たちが未来への第1歩は刻んだ。

先発した山崎伊は、今年に芽吹いた1人だった。5回まで3安打無失点でDeNA大貫と投手戦を展開したが、6回にボテボテの投ゴロを捕球できず適時失策するなど2失点で降板した。同じく初勝利7人衆の5番手平内は2イニング目の9回2死、2ストライクからの3球目を桑原に中前打とされ、続く楠本に適時二塁打と決定的な3点目を献上。勝負どころで、新星たちに若さが出た。

ただ、チームに上がり目もある。4番中田はこの日は無安打も勝負強さを発揮しはじめ、不振に苦しんできた岡本和は反撃の1発を放った。残り9試合。5月20日を最後に首位を明け渡して大失速も味わったが、CS進出の可能性は残っている。【浜本卓也】

○…山崎伊が6回に捕まり、5敗目を喫した。5回までは無失点投球を続けていたが、6回に先頭の佐野から3連打を浴び先制されると、無死満塁から投ゴロの処理を誤り、2点目を献上。6回途中6安打2失点で降板し「先発として、もう少し長いイニングを投げられずに悔しい」と話した。手術明けの今季はプロ初勝利を含む5勝をマーク。一定の飛躍を見せた2年目右腕に桑田投手チーフコーチは「復帰1年目としては上出来」と評価した。

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