首位ソフトバンクがエース千賀滉大投手(29)で敗れ、優勝マジック消滅の危機に立たされた。2位オリックスに痛恨の2連敗。千賀は0-0の3回2死三塁で福田に決勝打を浴び「先制点を与えてしまったことが、今日の試合を決めてしまったと思います。申し訳ない」と悔やんだ。7回107球を投げ、6安打2失点で今季6敗目。藤本博史監督(58)は「試合はつくってくれた。責められない」と右腕をかばった。

無援護だった。中5日で登板した相手先発の宮城に、5回までわずか1安打無得点。救援4投手にもシャットアウトされた。完封負けは、2試合連続で、12年以来10年ぶりとなるシーズン17度目。指揮官は「完封、完封じゃ勝ち目がない」。怒りを抑えて嘆いた。

チャンスで主軸が精彩を欠いた。1点を追う4回1死一、二塁で、主砲柳田が中飛に倒れた。0-2の6回1死一、二塁では、柳田、デスパイネの4、5番コンビが連続で空振り三振に終わった。指揮官は「ピッチャーがいいっていうことです」と話したが、主軸の快音なしに勝機は巡ってこない。エース千賀で黒星。ショックはあまりに大きい。

京セラドーム大阪でのオリックス戦は、昨季から1度も勝ち越すことなく終わった。ここ2年、当地では5勝20敗1分と借金15。鬼門でマジックを減らすことができず、オリックスと1ゲーム差で接近を許した。ロッテの結果次第では、19日にマジックが消滅する。藤本監督は「明日しっかり、全員でやりかえしましょう」と切り替えた。3連敗だけは許されない。【只松憲】

◆ソフトバンクのマジック消滅 最短で19日。ソフトバンク●でロッテが○または△が条件。現在ロッテは5位だが、首位ソフトバンクと5試合を残す。20日以降にロッテがソフトバンク戦を含む全試合に勝てば、ソフトバンクを最終成績で逆転する。

○…1軍に昇格したリチャードが「宮城キラー」の期待に応えられなかった。相手先発左腕に対し、試合前時点で今季4打数4安打2本塁打の好相性。前日17日のウエスタン・リーグ阪神戦(鳴尾浜)で2本塁打するなど好調ぶりも買われた。藤本監督は「映像を見る限りいい形で打ってる。宮城と相性がいいし、状態もいいということで今日は即スタメンで使います」と7番一塁で起用したが、宮城との2度の対戦はいずれも空振り三振。計3打数3三振で、起爆剤としての役割を果たせなかった。

▽ソフトバンク三森(チーム唯一の2安打)「自分の役割を果たしてチームが勝てるようにと試合に臨みました。打席では自分のタイミングでスイングをすることができていると思います。ただ、勝ちにつなげられず悔しいです」

○…ノーノー男の東浜で3連敗を阻止する。19日のオリックス戦(京セラドーム大阪)に先発予定で「もうやるしかない。しっかりこの試合に合わせてきました」と、言葉に力を込めた。直近2登板は白星も、6回途中で降板。勝負の11連戦は終盤に差し掛かり「ここ2試合は中継ぎに負担をかけている。しっかり長いイニングを投げたい」と意気込んだ。