西武内海哲也投手(40)がマウンドに別れを告げた。楽天23回戦(ベルーナドーム)に先発。引退登板で打者1人、山崎を二ゴロに仕留めた。

変化球のサインには首を振り、5球全球ストレート勝負。チームメート1人1人と握手を交わした。感情がこみ上げる中、ベンチに戻った。西武、巨人のユニホームを着た人で埋まる2万7475人の万雷の拍手に包まれて、深々とお辞儀した。試合後のセレモニーでは、お世話になった人への感謝をスピーチに込めた。現役生活19年は「支えで活力。全て」という家族の存在が大きな力になった。その最愛の妻や4人の子供たちが気持ちを込めた直筆の手紙を寄せた。パパおつかれさま-。

<セレモニースピーチ>

引退セレモニーが試合後に行われた。内海はファン、家族、支えてくれた多くの人に感謝のスピーチをした。8分30秒。言葉の1つ1つの気持ちを込めた。

「入団当初はプロ野球という世界のレベルの高さに圧倒され、無理かもしれないと思った時期もありましたが、諦めず、泥くさく、自分らしく頑張ってきました。支えてくれた全ての方々のおかげでここまでプレーすることができました。ありがとうございました」

09年から始めたランドセル基金の受贈者、巨人時代の監督だった堀内恒夫氏、高橋由伸氏、そして家族からは花束が贈られた。また巨人の先輩である高橋尚成氏、阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ、敦賀気比の恩師である東哲平監督からはビデオメッセージを寄せられた。最後は場内を1周し、3度胴上げされた。鳴りやまぬ感謝や惜別の拍手の中、深々と頭を下げ、両手を上げた。

<妻子へスピーチ 抜粋>

「妻聡子、感謝しかありません。あなたがいなければ、ここまで頑張ってこられなかったと思います。ありがとうございました。4人の子どもたち、瑛太、旺太、爽太、琴菜、つらく、苦しく、心が折れそうになった時、あなたたちの存在に救われ、『パパ、頑張れ!』、その言葉で何度も奮い立ち、マウンドに立つことができました。ありがとう。これからはあなたたちの番です。それぞれの夢に向かって、1日を大切に頑張ってください。応援してます」