西武山川穂高内野手(30)が負の連鎖を止めた。1回2死三塁。楽天滝中の内角141キロ直球に詰まらされながらも、中前に落とした。チームとして、44イニングぶりとなる本塁打以外によるタイムリーを生み出した。「打ててよかった」と納得の表情。やはり4番が打てば勝てる。チームの連敗も7で止めた。オリックスが勝利したため、負ければV逸にもなっていた。

9月は試合前まで54打数7安打の打率1割3分、2本塁打、4打点だった。体の疲れも出てくる中、不調に陥った原因を模索した。19日楽天戦の後、室内練習場に入った。今の自分の映像を確認後、バットを振り込んだ。映像の構える姿に違和感があった。「これかもしれんな」という復調の糸口を見つけた。立てていたバットを、少し前に倒し気味に修正した。ずれていた体の回転と捉えるポイントの感覚が戻った。打撃練習でも左中間やバックスクリーン方向に自然と飛ぶように変わった。

試合前は平石打撃コーチから円陣を任された。こうナインに語った。

「試合に勝つためにはまず打たなければいけない。打つためにはタイミングをあわせないといけない。タイミングを合わせ、初球から積極的にどんどん振っていきましょう」

言葉通り、1回の適時打は最初のストライクだった。6、8回も安打をマークし、今季8度目の猛打賞。8月は首位を走っていたチームは今、CS争いの4位。自身の成績とリンクするように順位を落とした。「正直、現状は受け止めなきゃいけない部分もある」。残り5試合を「全部勝てればいい」。苦しんだ鬱憤(うっぷん)を晴らすように勝利に導く。【上田悠太】

▽西武辻監督(連敗を7で止め)「1つ勝っただけだからね。まだまだ湿りがちの打線だけど、こういう形で気分も変わってくると思う。1試合1試合、必死に頑張ってくれればいい」

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