20発宣言! 広島の主砲ライアン・マクブルーム内野手(30)が、節目到達に意欲を見せた。今季描いたアーチは17本。20本まではあと3本に迫る。助っ人外国人が来日1年目で20本塁打を打てば、球団では04年ラロッカ(40本)以来18年ぶりの記録になる。今季マクブルームが本塁打を打てば16戦11勝5敗と好成績。主砲のバットが3位巨人を追う広島のシーズンを左右する。

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先週までのマクブルームは帰路に就く足取りが重かった。ところがこの1週間のそれは軽快だ。5試合連続安打。5戦で11安打2本塁打12打点と打ちまくっている。21日の阪神戦(甲子園)では2回1死満塁で右翼へ犠飛。延長11回にも中前に5試合連続となる適時打を放つなど、その勢いはとどまることを知らない。「安打につながらなくても大きなフライも出て、いい結果というか、内容的にも悪くない。犠飛も出て打点もついて、チームのためにも貢献できていると思う」。チーム最多74打点で主軸を担う助っ人は頼もしい。

本塁打数も17本まで増えてきた。これもチーム最多。視野に入るのが節目の20本だ。「20本にいけば、それだけチームに勝ちがつく可能性が上がる。もちろん目標の1つになる」。来日1年目で20本塁打となると、球団助っ人では04年ラロッカ(40本)以来18年ぶりの記録となる。ただ強調したのはチームの勝利だった。「それ(20本塁打)より大事なのは勝つこと。もし、届かなくてこのまま17本でもチームが勝てば、それでいい」。

3位巨人を追う広島。その一員である助っ人は純粋に今の激しい3位争いを満喫している。「今もプレーオフを戦っているような状況で1つも落とせない試合が続いている。シーズンも終盤でそこが野球の醍醐味(だいごみ)で楽しいところ」。1勝、1敗に一喜一憂し、順位表を見る回数が増すこの時期。マクブルームの20本到達があれば、広島の勝機は高まる。事実、今季M砲が本塁打を放った16戦は11勝5敗と好成績。負けられない戦いが続く中、鯉党の逆転CSへの望みは背番号10に注がれている。【前山慎治】