CS遠のく。広島大瀬良大地投手(31)が2回4失点の早期降板で9敗目を喫した。1回に2者連続の適時二塁打と2ランでいきなり4失点。1軍復帰後4試合目の登板も、本来の姿を取り戻すことができなかった。チームは3年連続シーズン負け越しとなり、3位巨人とのゲーム差が1・5に広がった。CS進出へ手痛い1敗となった。

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勢いづけるはずが、勢いを止めた。プレーボール直後の1回。先発大瀬良は1死一塁から近本に右中間二塁打を浴びて先制を許すと、続く大山にも中越え適時二塁打。さらに原口には浮いたカーブを左翼席まで運ばれた。立ち上がりの4失点は、最後までチームに重くのしかかった。CSを争う阪神との最終戦で敗れ、3年連続シーズン負け越し。3位巨人と差は1・5ゲームに広がり、CSへの道が大きく遠のいた。

「見ての通りだと思います。勝ちたい気持ちはあったので、結果につながらず申し訳ないです。ずっと迷惑をかけているので、申し訳ない気持ちしかないです」

敗戦後のベンチでは1人、悔しさを押し殺すようにただグラウンドを見つめていた。2回まで全43球中、空振りは2度のみ。直球の球速は140キロ台前半中心で左打者への狙った内角球が決まらず、宝刀カットボールも生きなかった。球威、ほかの球種の精度や制球も含め、本来の姿ではなかった。20日間の離脱から2軍での実戦登板を挟まずに1軍復帰も、失点を重ねる登板が続く。

大瀬良だけではない。前半戦フル回転した反動か、最終盤に先発陣が精彩を欠いている。4月までの29試合で22度記録したクオリティースタートだが、9月は3度のみ。10試合続けて6回未満での降板が続き、11試合続けて先発に白星が付いていない。

この日は3回から継投に踏み切り、逆転への執念を示した。だが、2点差に迫った6回の中崎投入が裏目となった。実績者とはいえ、現状では中継ぎ陣の序列は低い。佐藤輝に2ランを浴びるなど1死も奪えず降板。点差が広がってから序列が高い投手をつないでも反撃の呼び水とはならない。矢崎と栗林は起用すらできなかった。

監督就任から3年連続で負け越しとなった佐々岡監督は「また今度の試合でぶつけるしかない」と次戦を見据えた。残り3試合で1・5ゲーム差を埋めるのは厳しい。それでも逆転CSのためにも、この日もスタンドを埋めたファンのためにも、可能性がある限り一戦必勝の姿勢を見せなければいけない。【前原淳】

○…広島松山が2カ月ぶりの2号2ランを放った。4点を追った4回無死一塁で阪神島本の変化球を強振し、高い弾道で右中間席へ放り込んだ。走塁中は右拳を強く握り、感情を表した。「打った瞬間はちょっと上がり過ぎたかなと思ったが、しっかり押し込めていたので入ってくれて良かった」。本塁打は7月22日ヤクルト戦(神宮)以来2カ月ぶりだった。

○…広島菊池涼介内野手(32)が23日阪神戦(マツダスタジアム)のベンチ入りメンバーから外れた。21日阪神戦(甲子園)では「2番二塁」でフル出場していたが、この日の試合前は打撃ローテに入らず、守備練習も行わなかった。試合後蔦木トレーナーは「上半身のコンディション不良があった。(受診などは)明日以降の状態を見て」と説明した。

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