首位ソフトバンクがレギュラーシーズン本拠地最終戦を白星で飾った。今宮健太内野手(31)の決勝打などで、ロッテとの接戦を制した。試合のなかった2位オリックスとのゲーム差を1に広げ、優勝マジックは「4」に。また、2年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出も決めた。ラスト5試合、本拠地を離れて優勝へのロードに向かう。

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極限の戦いの中で、百戦錬磨の猛者たちが集中力を発揮した。同点の8回1死から、柳田とデスパイネの連打で一、二塁。2死となった後、今宮がロッテ東條から、詰まりながらも中前に運んだ。微妙なタイミングだったが、二塁走者の柳田は全力疾走で本塁へ。ユニホームを泥だらけにしながらヘッドスライディングで生還。決勝点をつかみ取った。

V打の今宮が訴えるように言った。「もう全員、1回も負けられないという気持ちは持っていますし、ぼくたちが後5試合すべて勝てば優勝なので。そこを求めてやっている。なんとか自分たちの力で優勝をもぎ取りたいという思いでやっています」。決勝ホームを踏んだ柳田も、4月にヘッドスライディングで左肩を痛め離脱したことがあったが、恐れることなく、がむしゃらに頭から飛び込んだ。何度も優勝争いを経験している男たちが、勝負どころで研ぎ澄まされたプレーを見せ、勝利を呼び込んだ。

3連勝で2位オリックスに1ゲーム差を付け、優勝マジックを4に減らした。2年ぶりのCS進出も決めた。6回まで投げたロッテ先発の佐々木朗には2安打1得点に抑えられていただけに、藤本監督は「今年一番くらい、しんどかったですね。やっぱりいい投手。今日勝ったということで勢いが出ると思いますよ」と胸をなで下ろした。

本拠地最終戦を白星で飾り、試合後にはセレモニーも行った。マイクを持った藤本監督は「1試合1試合、勝利を重ねて、優勝まであと1歩のところまで来ています。残り5試合、ビジターゲームになりますが全力で戦ってきます。ご声援お願いします」と、ファンに最後の共闘を呼びかけた。泣いても笑っても、残り5試合。2年ぶりの優勝へ、全力を尽くす。【山本大地】

○…三森が「足」で佐々木朗から先制点をもぎ取った。5回に先頭で死球で出塁し、二盗、三盗。1死で牧原大が空振り三振したが、捕手がボールをはじいた隙を見逃さず、先制のホームを踏んだ(記録は暴投)。「好投手の佐々木朗希投手から簡単には点を取ることができないと思っていました。その中で常に次の塁を狙い、結果的に盗塁を重ねて先制点につながって良かったです」と胸を張った。

○…守護神モイネロは3試合ぶりの無失点で23セーブ目を挙げた。1点リードの9回に登板し、3者凡退。19日オリックス戦、23日ロッテ戦と2試合連続でセーブ失敗していたが、名誉挽回。左腕は「シーズンの順位を左右する大事な試合で、自分の仕事ができて良かった。残り試合もしっかりと準備をして、チームの力になれるように頑張りたい」と引き締めた。

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