阪神佐藤輝明内野手(23)が、豪快な100万円弾でクライマックスシリーズ進出を決める。今季最終戦の10月2日ヤクルト戦に勝てば、CS進出が決まる。若き主砲はここまで20本塁打のうち本拠地ではわずか5本で、7月30日ヤクルト戦以来、約2カ月出ていない。それでも秋の空を味方に、虎党へアーチと白星を届ける。

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佐藤輝は確信を持って打球を見つめていた。秋空の甲子園に舞い上がった白球は、力強くバックスクリーンへ飛び込んでいった。「狙いました。試合で100万円ゲットできるように頑張ります!」と笑った。フリー打撃の最後にセンターへ2連発締め。これが公式戦なら「DAZNバックスクリーンホームラン賞」として賞金100万円で計200万円を手にすることができる。

昨年4月15日広島戦で100万円弾となる5号2ランをたたき込んでいる。自身2度目、今季初を狙う。今季はここまで20本塁打で、本拠地甲子園では62試合でわずか5本。7月30日ヤクルト戦から16試合、68打席ノーアーチが続いている。右翼から左翼への強い浜風に泣かされ続けてきたが「いつもと逆の風が吹いているので、僕からしたらうれしい」と話すように、秋になると北風の影響で風向きが逆になる。2日は午後2時開始のデーゲームで、予報は秋晴れ。「涼しいとプレーしやすい」と集中力も高める。

現在、11試合連続安打中と状態は悪くない。「安打が続いていることはいいこと。昨年みたいなことにならないようにするくらいの引き出しができた」。昨年は59打席連続無安打など後半戦で大失速したが、同じ失敗を繰り返さなかった。

本塁打は昨季より4本少ないが、打率2割6分6厘、84打点と打率、打点は上回っている。それでも「成績も物足りない。(本塁打を打ちたい気持ちは)常にある」と、本塁打にこだわる。勝てば自力でCS進出が決まる大一番にも「勝ちにいくというのは変わらない」と、いつものマイペースだ。佐藤輝がアーチでCS進出を決め、下克上の号砲を鳴らす。【石橋隆雄】

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