ソフトバンク和田毅(41)が5回2安打1失点で今季7勝目を手にし、史上50人目となるNPB通算150勝を達成した。9月23日に現役引退を発表した同じダイエー戦士の盟友、明石健志内野手(36)がサプライズで登場し、記念ボートを渡された。「節目の試合を、このような大事な試合で投げられたことを本当にうれしく思います」。現役唯一のダイエー戦士となった左腕が、ホッと一息して喜んだ。

最速は140キロ台前半ながら、楽天打線にアジャストさせない。変化球のキレも抜群だった。「相手(先発)も涌井ですし、いい投手なのは分かっている。先に点をやらない気持ちでマウンドに上がりました」。4回に1点を失っても動じなかった。不惑を超えてもなお、チームに欠かせない投手陣の柱だ。

最高のお手本がいたからこそ、和田はいまだに衰えない。米カブス時代、過去に3度サイ・ヤング賞に選出されたドジャースのクレイトン・カーショー投手の練習を間近で見た日がある。カーショーは何分経過しても走ることをやめない。「ランニングの鬼」として知られる和田は「自分のやってることって間違いじゃなかったんだな」と確信した。世界屈指の左腕と同じ道を信じてきた。オフの自主トレは若手が息を切らすほどの過酷さ。積み上げた150勝は必然だった。

自身の金字塔とともに、チームは優勝マジックを「1」とした。「大事な試合で達成できたのはすごくうれしいです。いい日になったな」。杜(もり)の都の夜空に、41歳の笑みがはじけた。【只松憲】

▼通算150勝=和田(ソフトバンク) 30日の楽天25回戦(楽天生命)で今季7勝目を挙げて達成。プロ野球50人目。初勝利は03年4月9日の西武2回戦(北九州)。和田は登板305試合目、41歳7カ月で到達。年齢では94年佐藤義(オリックス)の39歳7カ月を抜く最年長記録だが、登板試合数は4番目のスピード。上位3人は1リーグ時代に入団しており、2リーグ制後に入団した投手では最速。「最年長」で「最速」の珍しい150勝だ。また、和田は救援勝利がなく、プロ1勝目からすべて先発勝利で150勝到達は98年槙原(巨人)以来2人目。

▽ソフトバンク・モイネロ(9回をきっちり3人で抑え)「チームが勝つことができてよかった。チームのために全力で投げるだけ。明日も自分の仕事をしたい」

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