天理高の戸井零士内野手(17)は阪神が5位指名し、交渉権を獲得した。指名された瞬間も引き締まった表情は変えなかった。不安で前夜はあまり眠れなかったと言い、「小さい頃からテレビで見ていた球団。ほっとしています。素直にうれしい気持ちです」と胸をなで下ろしていた。

甲子園には春夏通じて3度出場しており、「校歌も歌った思い出の場所」と本拠地への思い入れも強い。

人間力も兼ね備えている。夏の甲子園出場が決まる7月28日の奈良大会決勝。前日に、対戦する生駒野球部に新型コロナウイルス感染による体調不良者が続出した。ベンチメンバーを12人を入れ替えて決勝に臨み、21-0で天理が圧勝したが、マウンドに集まって優勝を喜ばないことを試合中にナインに伝えた。配慮のある行動が話題となった主将だ。

高校3年間で心身ともに成長した17歳が、いよいよプロの野球に舞台を移す。

https://www.nikkansports.com/baseball/professional/draft/