楽天涌井秀章投手(36)と中日阿部寿樹内野手(32)との1対1の交換トレードが成立したことが15日、両球団から発表された。通算154勝を挙げ、史上初めて3球団で最多勝に輝いた右腕と、過去4年で3度規定打席に到達し、中日打線を支え続けたクラッチヒッター、という主力同士の放出となった。

◆楽天の岩手県出身選手 阿部は岩手県出身。東北を本拠地とする楽天で、岩手県出身の現役選手は銀次だけ。銀次の他は花巻東から16年育成ドラフト1位で入団した千葉耕太投手が17~19年に育成選手として在籍した。

◆規定打席到達打者のトレード 今季の阿部は133試合に出場し、2年ぶり3度目の規定打席に到達した(打率はセ・リーグ16位)。規定打席に到達した打者がオフにトレードされたのは、12年オフの糸井嘉男外野手(日本ハム)以来。12年パ・リーグ打率3位の糸井は13年1月、八木智哉投手とともにオリックスへ移籍し、交換要員は木佐貫洋投手、大引啓次内野手、赤田将吾外野手の2対3トレードだった。

◆阿部寿樹(あべ・としき)1989年(平元)12月3日生まれ、岩手県一関市出身。一関一では甲子園出場なし。明大では楽天島内、広島野村と同期で1年春からベンチ入り。リーグ通算64試合で打率2割6分3厘。ホンダを経て、15年ドラフト5位で中日入団。16年8月11日ヤクルト戦で初出場。19年から二塁の定位置をつかみ、20年に自己最多の13本塁打。今季推定年俸3600万円。185センチ、85キロ。右投げ右打ち。