ロッテは11日、古谷拓郎投手(22)と来季の育成選手契約を結んだ。年俸は現状維持で、背番号は未定。

地元の習志野高(千葉)出身の古谷は昨季、今季と2年続けて1軍登板なし。プロ4年目のシーズンを終えた今秋、戦力外を通告されていた。「ここ2年は2軍でもほとんど投げていない中で、育成という形で契約していただいた球団には本当に感謝しています」と口にした。

4月10日のイースタン・リーグ楽天戦(泉)以降、2軍でも実戦登板がなかった。「開幕してすぐくらいで、少しヒジが状態悪くなって。その日はちょっと無理して投げていて。多少投げても大丈夫だろうと思ってやっていたら、次の試合に投げられなくなったので」。6回4安打1失点の裏で、耐えていた。

試合序盤は147キロ出ていた直球が「最後は136~137キロまで落ちて」と記憶をたどる。「とりあえずこの試合を頑張ろうと思って投げた次からが、はい、長かったですね」と苦笑いしながら回想した。

4月10日と言わず「朗希が完全試合した日」と口にした。「僕がちょうど、最後投げたのが完全試合の日でそのインパクトが強いので覚えていて。僕より下の世代で1軍の舞台で完全試合するっていうすごさを身に染みて感じたので、記憶によく残っています」。1学年下の佐々木朗が入団直後、投手の食事会では正面の席に古谷がいた。置かれる立場はだいぶ変わった。

完全試合フィーバーが起こる中、ひっそりと復活を期した。しかし。「実戦復帰直前というか、ブルペンまでは入れるんですけど、試合が見えてきてまたぶり返して…をずっと繰り返して。ヒジが治って復帰しかけた時に肩が痛くなって、そこからはまたずっと肩のリハビリでシーズンが終わってしまった感じですね」。

雨で何度も登板機会が流れたが、20年シーズンでは若手先発右腕としても期待された。「ケガをしないフォームだったり、体の機能を戻す、上げるのが一番大事だと思うので。そういう動きの見直しというか、ゼロからしっかり作り上げてキャンプインしたいと思います」。戦力外通告後、気をつかってか連絡を控えてくれた友人たちの優しさも身に染みる。「万全な状態でマウンドで戦える状態にして、やり切りたいなと思います」。晴れやかにマウンドに戻りたい。【金子真仁】