ソフトバンクが18日、宮崎秋季キャンプを打ち上げた。藤本博史監督(58)は「(MVPは)全員ですね。野手も投手も目の色を変えて取り組んでくれた。100点満点のキャンプだったんじゃないかなと思います」と、投手、野手ともに練習量をこなした充実の日々を満足そうに振り返った。

「全員MVP」の中でも、あえて名前を挙げたのがルーキー2人だった。「特に名前を出せば、正木、野村勇ですね。この辺は、この秋のキャンプで一段と変わったなというところが見えた」。正木は今季35試合に出場し、クライマックスシリーズでもスタメン出場。97試合に出場した野村勇は球団83年ぶりの新人2桁本塁打を放った。ともに初の秋キャンプで、指揮官の印象に残る成長を見せた。

来季2人に期待するのはレギュラー取りだ。「取れるポジションは取れ」と、持ち味の打力を生かし、出場チャンスを少しでも増やせるように、今キャンプでは外野手の正木に一塁、内野手の野村勇は外野をそれぞれ練習させた。藤本監督は「やっぱり期待度は大きい。来年は(投手の)右、左関係なく打席に立てたらいい」と、飛躍を願う。

正木は「まずは開幕スタメンを取って、1年間レギュラーで、主軸で出続けたい」ときっぱり。野村勇も「(春季)キャンプ1発目からアピールして、レギュラーを取る気でやります」と気合十分だ。2年目の若鷹コンビが「世代交代」の旗印になる。【山本大地】

○…斉藤1軍投手コーチが、就任後の初仕事を終えた。秋季キャンプを振り返り「極力、本音でぶつかって意見を交わしながら。どこまでできたかは分からないけど、これからもそういう形は続けていきたい」と総括。現役時代に「負けないエース」と称された同コーチは「最後に勝てば、いろんなことが報われる。それは経験済みですから」と、オフ期間のさらなる奮起を促した。

○…副キャプテン栗原の手締めで宮崎秋季キャンプを打ち上げた。今季は左膝前十字靱帯(じんたい)の断裂など開幕直後に大けがを負ったが、志願のフル参加。三塁への完全コンバートを目指す来季、に懸ける思いは強い。「チームは今年すごく悔しい思いをしました。福岡ソフトバンクホークスは常勝軍団と言われています。常に勝つ試合をしないといけない。そのために選手1人1人が自覚と責任を持って過ごしていきましょう」と鼓舞した。

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