セ、パ両リーグは24日、今季のベストナイン賞を発表し、阪神からは青柳晃洋投手(28)、中野拓夢内野手(26)が遊撃手、近本光司外野手(28)が外野手で選出された。青柳、中野は初受賞で近本は2年連続2度目。球団の日本人3選手の選出は、岡田監督第1次政権でリーグ優勝を遂げた05年以来17年ぶりだ。

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エース青柳が“投手4冠”に輝いた。今季は最優秀防御率に加え、2年連続となる最多勝、最高勝率と投手主要3部門のタイトルを獲得。球団の投手では03年井川慶以来19年ぶりのベストナインに「初めての受賞なんでめちゃくちゃうれしいです。去年取れるかなと期待している中で取れなかった。今回取れてすごくうれしい」と喜んだ。

阪神では青柳の他に中野、近本がベストナインに名を連ねた。阪神から3選手が選出されたのは14年(鳥谷、ゴメス、マートン)以来8年ぶり。日本人の3選手以上の受賞は、岡田監督第1次政権でリーグ優勝した05年(矢野、今岡、赤星、金本)以来17年ぶりだ。V奪回へ向けた戦力の充実を物語っている。

7年目の今季は開幕投手に指名されながらも、新型コロナウイルスに感染した影響で出遅れた。後半戦も登板7試合連続で勝ち星を逃すなど大苦戦したが、結果的にセ界最高投手の称号を手にして「満足感はあります」。一方で「僕、まだアレ(=優勝)の免疫がないので」と笑顔を見せつつ、「優勝って言っちゃいけないのかもしれないですけど、できていないんで、悔しさはもちろんありました」と今季3位のチーム成績を悔やんだ。

「成績を出すことがそういうもの(優勝)につながってくると思う。チームが勝つ可能性があるピッチングを継続して、終わった時にみんなが笑えるように、と思ってます」。名実ともに虎のエースへとのし上がった右腕が、V奪取へ、来季も全力で腕を振る。【古財稜明】

【ベストナイン】阪神から青柳晃洋、中野拓夢、近本光司が受賞 青柳は投手では球団19年ぶり