ソフトバンク甲斐拓也捕手(30)が24日、来年3月に行われるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)への並々ならぬ覚悟を示した。福岡市内の商業施設で行われたトークショーで「(侍ジャパンの)栗山監督とは何度も話をしました。僕もその思いに応えたい。栗山監督のためなら、体がボロボロになっても戦いたいと思いました」と熱弁を振るった。

すでに代表入りは決定的。正式発表されれば、WBCの舞台は初となる。目指すは当然、世界一。甲斐は「『栗山監督のためだったら』という思いはすごくあります」と繰り返した。直接的な会話だけでなく、電話でも正捕手候補として信頼を寄せられる熱い言葉をもらってきた。

一流右腕とのバッテリー結成も待ち遠しい。エンゼルス大谷と、パドレス・ダルビッシュも代表入りが決定的。「速すぎて捕れるかどうか分からないですけど」とジョークまじりで話しながら、甲斐は「なかなかできる経験ではない。(東京)オリンピックも得られるものは大きかった。ひとりの野球選手として、これ以上のものはない」と語った。まずはコミュニケーションを重視。投手の潜在能力を限りなく100%引き出せるように「聞くだけではなく、僕の考えもしっかり伝えていきたい」と引き締めた。

10年育成ドラフト6位から、常勝ホークスの主力にはい上がってきた。粉骨砕身のマインドは持ち合わせている。準決勝に進めば、甲斐自身はアメリカに初上陸となる。「覚悟はできています」。クリスマスイブにふさわしい、熱い誓いを立てた。【只松憲】

◆甲斐の侍ジャパン歴 17年の「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」にオーバーエージ枠で初招集。18年には日米野球、19年にはプレミア12に出場した。21年の東京五輪では正捕手として金メダル獲得に貢献。準々決勝の米国戦で延長10回にサヨナラ打を放った。ベンチでは自らブルペンで控える投手と話す場面が中継され、ツイッター上で「#もしもし甲斐です」がトレンド入りしていた。

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