滝行で煩悩を払い2年目のブレークにつなげる。日本ハム長谷川威展投手(23)が、自主トレ中の19日に東京・檜原村の天光寺で、滝行に臨んだ。1年目の今季は3月の開幕2戦目に登板も、故障などもあり、次に登板したのが10月の最終戦。新球場で迎える来季は、精神鍛錬を目的にした荒行で身に付けた“不動心”を武器に、コンスタントな1軍登板を目指す。

何かが洗い払われたような、すがすがしい表情だった。天光寺での滝行を終えた長谷川威は「きつかったんですけど、終わったら、悪いものが抜けた感じがした」。花咲徳栄の同期、西武西川とともに臨んだ初めての体験。滝に打たれたのは2分ちょっとだったが「めちゃめちゃきつい。あれが一般人の限界。あれ以上やったら体調が変わる」。激しい水のパワーを全身で浴び、心のムラを、すべてそぎ落としてきた。

来季テーマは「一喜一憂しない」。1年目にいきなり開幕1軍を勝ち取り3月26日ソフトバンク戦(福岡ペイペイドーム)でデビュー。だが、4月に左肘の違和感を訴え登録抹消され、次の登板は、10月2日の最終西武戦(ベルーナドーム)。「(開幕後に2軍に落ちて)気持ちも落ちちゃって。ケガして焦りで別の部位も気になって。常に同じ感じでマウンドに立てる投手を1軍に送りたいと思うので、(来季は)そういうところを見せたい」とメンタルの振り幅を減らす。

今季途中から活躍した上川畑の活躍にも触発された。「出遅れてもやることをやればチャンスをつかめるのを生で見た。開幕を目指しながらも、無理でも、絶対にそこで気持ちを落とさず、途中からでも活躍してやるっていう、年間を長い目で見てやれる感じになりたい」と思い描いた。

長谷川凌退団で、来季表記は「長谷川威」から「長谷川」に変わる予定。「長谷川は結構いる名字なので、“威”までつけた方が印象づけられると思っていたので、寂しい。長谷川威のままでいきたい。電光掲示板だけでもやってくれたらいいのですが」。不動のマインドを身に付けた“ハセタケ”として、23年の1軍定着を狙う。【永野高輔】

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