ヤクルト高津臣吾監督(54)が9日、埼玉・戸田市内で行われた新人合同自主トレで「マイペース」をテーマに訓示を述べた。リーグ3連覇と日本一奪還を目指す新年を迎え、公の場には初登場。新人6人の表情を見て「やっぱり緊張感を感じた」と話し、リラックスできるよう優しく語りかけた。

高津監督 マイペースで全然構わないと思います。人と同じような内容であったり、強度であったり、できないかもしれないですけど、ぜひケガなく、自分の調子が徐々に上がっていくように、ガクッと落ちることがないように、10月末までしっかり戦える体をつくってください。

過度なプレッシャーを排除し、選手がのびのびとレベルアップできる環境づくりと、ケガのリスクを軽減。現代的なスポーツ指導観に立つ。

高津監督 「マイペース」という言葉はネガティブに聞こえるかもしれませんが、皆、体格も違えば、やってきた野球環境もちがう。同じボールを投げるにしても、走るにしても、いろんなものが違う。「マイペース」と言ってしまうと変な風に捉えがちですけど、自分に合ったものを吸収して欲しい。

その上で新戦力の誕生機会を待つ。昨季は遊撃手でゴールデングラブ賞を受賞した長岡や、プロ1年目は1軍登板なしに終わった木沢がチームトップタイの55試合に登板し、先発のサイスニードと並ぶチームトップの9勝を挙げるなど若手の成長が原動力になった。

セ・リーグ連覇を経験した指揮官は「やはり新しい力は勝つためにすごく大事な要素」と確信している。その土壌作りの重要なテーマが「マイペース」となる。

高津監督 全員で戦いたい気持ちが強い。例えば若い選手だから、育成選手だからケガしても良いということでは絶対にない。2軍であれ、若手であれ、戦力ダウンすることなく1年間過ごしたい。

3連覇へ向かう組織づくりに余念がなかった。【三須一紀】

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