「スクラップ・アンド・ビルド」で投球を一新させる。日本ハム上沢直之投手(28)は13日、沖縄・宮古島で行っている自主トレを公開し、オンライン上での取材に応じた。自主トレでは「全部をぶっ壊そう」と始めたフォーム改造やフォークの改良に励む。新球種の導入にも取り組んでいる。メジャー挑戦を控え、勝負の年と捉える今季。新しく生まれ変わった投球で挑むつもりだ。

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上沢は昨年12月、米国のトレーニング施設「ドライブライン」で動作解析を行った。自主トレでは米国から持ち帰った投球フォームの修正点を体に覚えさせている。「今までやってきた投球フォームを1回ぶっ壊そうかなと思っています」と話すほど、フォーム改造に取り組んでいる。目指すのは、リリース時の高出力と精度の高さの両立。「下半身の力を最大限使える足の使い方を練習している。出力を出しながら、ゾーン内に強く投げられるようにしたい」と語った。

武器のフォークも改良中だ。「去年はあまりうまく投げられなかった。三振をフォークで取りたい」と話す。従来は「速くて少し落ちるスプリットみたい」と分析。「もっとしっかり大きく落ちるフォークがあったら」と語り、落差が大きい理想の球筋を追求する。ソフトバンクからメッツに移籍した千賀やオリックス宇田川らの球も参考にする。「ああいうフォークを投げたらバッターはすごく嫌」と話し、ライバルの球も手本に磨きをかける。

新球種も導入するつもりだ。「バッターに投げていい反応が出たら言おうと思います」。球種は明かさなかったが、まずはブルペンで投げ込み、習得を目指す。空振りを取れる球として取り入れたい考えで、「スライダーがウィークポイントで、被打率が高かった。それを補えるようなものを求めて練習している」。新しいものを取り入れつつ、1度壊して作り直すことにも触手を伸ばす。オフで敢行した大事業を、今季の飛躍につなげる。【石井翔太】

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