広島新井貴浩監督(45)が野間峻祥外野手(29)に「離脱ゼロ」を厳命した。マツダスタジアムを訪れた際、対面した野間に笑顔で“罰金指令”を伝えた。「(筋肉系が)1回ピリッと来たら100万円、2ピリッで200万、3ピリッで300万。3ピリッで計600万円な」。

走攻守に高い能力を持ちながら、3年続けて下半身のコンディション不良などを理由に2桁試合出場にとどまる。それでも昨季は打率3割1分2厘、チーム最多7盗塁。機動力再建を掲げる新指揮官の期待は高い。現役時代から軽妙なやりとりをしてきた両者。指令に苦笑いの野間は「1年間完走したら、もしかしたら…」と達成時の褒美を期待してニヤリ。報道陣からその様子を伝え聞いた新井監督は「家でも、車でも買ってやる」と笑って返した。

野間自身、今季の目標にシーズン完走を掲げていた。12月はケガしない体づくりに取り組み、広島に戻った1月は順調な仕上がりを見せている。シーズン完走は最低目標。「離脱しないこともそうですけど、離脱よりも結果。当たり前のことかもしれないけど、両方をしっかりできれば」。指揮官から愛のある激励に決意を新たに、3連覇した18年以来5年ぶりの規定打席到達を目指す。【前原淳】