“矢沢アイ”で矢沢流を極める。日本ハムのドラフト1位、投打二刀流の矢沢宏太投手(22=日体大)が17日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で新人合同自主トレに参加し、走攻守のレベルアップへ「見て学ぶ」ことから始めると明かした。

お手本となる先輩らに手当たり次第に質問するのではなく、まずはじっくりと観察。好パフォーマンスの要因を自ら考察、実践して成長のヒントを自力で導き出すことで魅力的な選手となることを誓った。

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矢沢流は“百聞は一見にしかず”だ。鎌ケ谷で初めて打撃投手の投球を打ち返した矢沢には参考にしてきた打者がいた。「今川さんのバットの使い方が僕は好き。JFE(東日本)の時から。今川さんが(ネットに)動画を上げていて、すごいスイングだなって。そういう見た感じのイメージをマネしながらやっている」という。画面越しで見てきた今川とは、すでに鎌ケ谷で初対面を果たしたが、あえて質問はしなかった。

矢沢 まずは、見て感じるものを(大事にする)。初めから聞くのではなく、まず見て、自分なりに解釈してやっていきたい。

じっくりと観察して感じたことを自ら実践して実力に変えていくのが流儀だ。

この日の新人合同自主トレで初めてノックを受けた外野守備では、20年3月に行われた大学日本代表選考合宿で一緒になった五十幡のプレーを見て学ぶ。

矢沢 五十幡さんは足が速い中でボールに対するチャージも早い。すごい技術だなと思った。五十幡さんも僕もスピードを売りにしていますし、いいものを吸収していけたら。

プロ入りまで、外野守備の練習は本格的に取り組んではいなかった。「きっちり学んだことがない。自分自身、伸びしろがあるなと思いますし、いろいろ学んでいきたい」と、まずは目を凝らすつもりだ。

同自主トレが休日だった16日には、グラウンドを離れても見て学ぶ環境を整えた。「iPadを買いました。動画を見たり、チームで共有するものがあると思うので、そういうのを見る用に買いました」と、さまざまな映像にも目を通して成長のヒントをつかみたい。もちろん、外野の名手だった新庄監督のプレーぶりも「昔の動画で学びたい」と、参考にしていく予定。まずは見て学ぶ“矢沢アイ”をフル稼働させ、新たな二刀流の魅力をアップさせていく。【木下大輔】

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