阪神青柳晃洋投手(29)が、23年シーズンの開幕投手を務めることが決定的となった。17日、静岡・沼津市内の愛鷹(あしたか)球場で自主トレを公開。岡田彰布監督(65)が求める開幕投手の理想に唯一合致する右腕。自ら3月のWBCの侍ジャパン最終メンバー30人から落選したことを明かすとともに、あらためて大役への強い覚悟を示した。虎のエースとして、チームを「開幕ダッシュ&アレ」に導く。

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青柳は悔しさをにじませながらも、3月31日のDeNA戦(京セラドーム大阪)を見据えた。前日16日に球団を通じてWBCへ臨む侍ジャパンの最終30人メンバーから外れた旨を電話で伝えられたことを明かした。「僕が駄々こねてWBCに(出る)といっても入れるものではない。そこは切り替えて、タイガースの開幕に照準を合わせていきます」と断言。同時に自身初の大役への並々ならぬ覚悟を示した。

「開幕投手はチームの顔。投げたいですし、(自分が)投げないといけないと思ってます。投げて勝って、チームが勢いに乗れるように頑張りたい」

昨季は開幕投手に指名されながら、直前に新型コロナに感染した影響で登板回避。さらにチームは開幕9連敗と大苦戦しただけに「チームに最初に勝ちをもたらすという意味でも、開幕投手は本当に大事だと思う」。岡田監督は開幕投手に「1年間ローテを守れる」「2桁(勝利)」「貯金をつくれる投手」の3要素を条件に挙げており、青柳が最有力候補であることを示唆していた。しかし青柳は侍ジャパンの候補だったため、「WBC行って、開幕投手は無理やろ」と明言は避けていた。落選したことで、青柳の開幕投手は決定的になった。

自主トレではスタミナ面の強化に力を入れている。この日は計4時間行われた練習終盤に、球場のスタンドを使用した階段ダッシュトレを実施。左翼ポールから右翼ポールまでの階段を下からダッシュで上り、隣の階段を「ジョグ」で下がる走り込みを約20分ノンストップで繰り返した。その後グラウンドでチューブなどを使って体幹を鍛えた。「体がきつい時でもフォームが崩れないように。先発でも7、8、9回で(質、球威が)落ちないように」。昨季後半に7試合連続で勝ち星を逃した課題と向き合っている。

後輩を引き連れての合同自主トレは自身初の試み。チームの底上げとともに「後輩に伝えていることは、自分もやらないといけない」と自らのケツをたたく。今季の目標は「個人は15勝、チームは『アレ』しないといけない」。虎のエースが、開幕からてっぺんまで走り抜ける。【古財稜明】

○…青柳塾」に参加している村上が、進化に手応えを示した。青柳に誘われ、合同自主トレに参加。脱力の重要性や、下半身の力の使い方、狙いどころのポイントなど多くを学び、「キレも上がって、今は軽く投げても伸びるボールがいっている。本当に来てよかったです」と笑顔。3年目の今季は先発を希望しつつも「1軍で投げられるのであれば、どこでもがむしゃらにやりたい」と力を込めた。

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