ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が19日、広島・呉市内で自主トレを公開。昨季は自身も成績が振るわず、2年連続でリーグ優勝と日本一を逃した悔しさを胸に、主将として全試合出場でV奪回を狙う意気込みを語った。自主トレを行った呉は、広島商とホークスの大先輩である元南海監督・鶴岡一人氏の出身地。「柳田親分」がホークス復権に全力を尽くす。

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柳田がホークスゆかりの地で、捲土(けんど)重来を期した。昨季は打率2割7分5厘、24本塁打。球界屈指の打者としては不本意な1年だった。チームも勝率差なしで優勝を逃した。「昨年、ふがいない数字で終わったので。今年はキャプテンとしていい数字を残したい。クビ差、鼻差、なんでもいいんで優勝したいです」と力を込めた。

昨年はキャンプイン前に新型コロナウイルス陽性となった影響もあって調整が遅れ、本来より約10キロ重い体重100キロ前後で開幕を迎えた。力を発揮できなかった反省も踏まえ、オフに入るとすぐに約1週間のファスティング(断食)に挑戦。体内環境を整えて「状態的には雲泥の差」という体に仕上げた。

個人の目標としては「1年間フルで戦いたい。まずは30本ですね。あとは143試合出たい。出てなんぼなんで」。18年以来の30本塁打以上、14年以来の全試合出場に照準を定めた。

今年の自主トレは大分・佐伯市で始動。中旬から地元の広島に拠点を移した。この日も本来は母校の広島経大で練習する予定だったが、悪天候が予想されたため室内練習場のある呉に場所を移していた。

呉は柳田にとって広島商の先輩で、南海の監督としてプロ野球史上最多1773勝を挙げた「親分」こと鶴岡一人氏の故郷だ。柳田らが汗を流した「二河屋内練習場」の隣には「鶴岡一人記念球場」があり、近隣には鶴岡氏の功績をたたえるミュージアムもある。かつては南海が長くキャンプを敷いた地でもある。

柳田にとっては「思い出は(ゴルフ場の)呉カントリーです。毎年絶対に回るんですけど、OB連発です」という呉だが、くしくも球団創設85周年の年に、ここで逆襲への誓いを立てた。20年以来のリーグMVPなら自身3度目で鶴岡氏に肩を並べる。「柳田親分」がけん引し、チームを3年ぶりに頂点へ導く。【山本大地】

 

◆鶴岡一人(つるおか・かずと)1916年(大5)7月27日生まれ、広島県出身。46~58年の登録名は山本一人。広島商では31年春の甲子園で優勝。法大を経て39年南海入団。同年10本塁打でタイトル獲得。応召後の46年に選手兼任監督で復帰し以後23年間、南海の監督を務めた。この間、リーグ優勝11回、日本一が2回。監督通算1773勝1140敗81分け、勝率6割9厘は史上1位。現役時代は173センチ、68キロ。右投げ右打ち。65年に野球殿堂入り。00年3月7日、心不全のため83歳で死去。

 

○…柳田は大所帯になった「ギータ塾」に自らも刺激を受けた。「こうやって自分と一緒にやりたいと言ってくれるのはありがたい。今年35で、まだまだ負けないように。勉強にもなりますし、ライバルとしてもいい刺激をもらっています」と話した。昨年から参加している日本ハム清宮、ロッテ安田には「まだまだここからいい選手になると思う。こんなもんじゃないと思います」とさらなる飛躍に期待していた。

 

○…ソフトバンク柳田らとの合同自主トレに参加中のロッテ安田は「本当に危ない」と、ため息だ。自主トレ中は、同い年の清宮が運転する車の助手席が指定席。「僕が教官になって」と、免許取得後2日の清宮を、命懸けでサポートした。「パーキングで駐車券を取ろうとしたら、突っ込みそうになったり。うっかりさんですよ、本当に」。野球では切磋琢磨(せっさたくま)で初タイトルを狙う。

 

○…ソフトバンク笹川が「柳田ロード」を歩む。「ギータ塾」には初参加で「球界でもトップレベルの左打者。最初は緊張したんですが、いろいろ打撃のこととかを聞かせてもらっています」と充実感をにじませた。3年目となる今季の目標としては「2軍で試合に出続けて、ホームラン王を取りたい」。師匠の柳田がプロ1年目の11年に獲得したウエスタン・リーグのタイトルを狙う。

 

○…ソフトバンク谷川原が正捕手争いに名乗りを上げた。打力や走力の評価も高く、近年は外野での出場も増えているが「キャッチャーでも勝ちたい気持ちがある。一発目、2月1日から嶺井さん、(甲斐)拓也さんよりすごいアピールをしていきたい」と目をギラつかせた。この日は激励に訪れた元ヘッドコーチの達川光男氏からも、スローイングなどのアドバイスをもらっていた。

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