球界の「ウタ」が「新時代」を作るんだ!日本ハムの阪口楽(うた)内野手(19)が、高卒2年目で初の春季キャンプ1軍スタートを決めた。

スイングスピードはチーム屈指。憧れの“大谷ボディー”を手に入れるべく、千葉・鎌ケ谷で自主トレ中だ。昨年の秋季キャンプで新庄剛志監督(50)から「目立った選手」に挙げられた期待のホープは、1軍キャンプ完走で、初の開幕切符を目指す。

    ◇    ◇    ◇

名前は「楽」と書いて「うた」と読む。千葉・鎌ケ谷で自主トレ中に、1軍キャンプスタートを伝え聞いた阪口は「(2軍キャンプ地の)パンケーキ、食う気満々でした」と照れ笑いも「出来ることは全力でします!」。キャンプ初日の2月1日、さらに第1クール最終日の5日にも紅白戦が組まれている。結果が出なければ、即2軍のサバイバル。「生き残るッス。完走ッス。第1クールで(2軍に)落ちたら笑えないんで」と表情を引き締めた。

世間では、アニメ「ONE PIECE」の映画最新作で、ヒロインのウタが歌う主題歌「新時代」が大ヒット。名前の由来は「分からない」としながらも「(両親が『楽』の旧字体を)好きな漢字だったらしい」。歌は苦手。その代わり「アホで元気ッス。誰とでもしゃべるッス」と、威勢がいい。

昨季は3試合に出場しプロ初安打。昨年の秋季キャンプで新庄監督が「急にバットスイングが速くなった」と目を付けた1人で、チーム屈指のスイングスピードを誇る。好きな選手は球団OBのエンゼルス大谷で「体がカッコイイ。あんな風にでかくなりたい」と“大谷ボディー”が目標だ。オフはウエートで鍛え、体重は2キロ増。「動いていないと頭が痛くなる」という元気印は元日返上で練習し、地元京都の甘南備山(かんなびやま)を駆け登った。

出場機会を増やすため、本職の内野だけでなく、外野手用のグラブも準備して自主トレに励む。名前入りの応援タオルを持つファンが少なく、いつも寂しげにスタンドを見上げているという19歳は「フルスイングして全力で投げます」と、思い切りの良さでファンの心をつかむ。目指すのは開幕1軍。夢ではなく、チャンスでは「ボクを信じて~♪」と現実に。登場曲は、もちろん「新時代」だ。【中島宙恵】

◆阪口楽(さかぐち・うた)2003年(平15)6月24日生まれ、京都府京田辺市出身。市立薪小5年で軟式野球を始め、中学時代には硬式のオール山城ヤングでプレー。岐阜第一では2年夏からエース兼4番。甲子園未出場も、投げては140キロ超、エンゼルス大谷そっくりの懐の深い打撃フォームで“二刀流”と注目された。サッカー日本代表FW前田大然(25)は幼なじみ。21年ドラフト4位。187センチ、91キロ。右投げ左打ち。好物は「お母さんのオムライス」。

【関連記事】日本ハムニュース一覧