そのドレッドヘアを逆立てる。巨人アダム・ウォーカー外野手(31)が29日、川崎市・ジャイアンツ球場で自主トレを行った。前日28日に再来日した2年目の助っ人は、ドラゴンボールのキャラクターがプリントされたパーカ姿で登場。「孫悟飯のようになりたい」と宣言した。その秘められた力は、いまだ未知数。この日に入団会見を行った新外国人5選手に負けじと、2年目の進化を遂げて“第2形態”へと変身する。

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2年目の第1歩はあいさつから始まった。「ハッピーニューイヤー」。ウォーカーが報道陣にキュートな笑顔を振りまいた。「元気に戻って来られて、非常にうれしい。チームに必要だから戻ってきて欲しいというのは、野球選手として名誉なこと。期待に応えられるように頑張りたい」。大好きなドラゴンボールのキャラクターが描かれたパーカ姿で誓いを立てた。

「孫悟飯」になる。ドラゴンボールでは、主人公・孫悟空の長男をお気に入りのキャラクターに挙げた。温厚で礼儀正しい性格の一方で、大きな潜在能力を秘める姿に自らを投影。「自分の強さに気がついていないのが一番の魅力。いろいろ試行錯誤を重ねて、そこにたどり着けることが、自分のあるべき姿と重なる」。196センチ104キロの肉体に秘められた存在能力はいまだ未知数。米独立リーグから全くの無名で加入した昨季の23本塁打では満足しない。粗削りな打撃には、底知れない可能性が詰まっている。

マンガと食を中心に、すっかり日本文化のとりこになった。幼少期から見ていた「ドラゴンボール」は英語字幕をつけて日本語の音声で勉強中。再来日後最初のディナーはすしを食べ「マグロ、オイシカッタ」と満足げな表情を浮かべた。

米国ではウエートトレーニングや有酸素運動に加え、打撃や守備など技術的な練習で準備してきた。昨季はコロナ禍の影響で来日が遅れたため、初の春季キャンプ参加となる。アーリーワークも予定されるが「長い1日になると思いますけど、しっかり練習してシーズンに臨みたい」と意欲満々。マンガのようなアドベンチャーを描き続ける。【小早川宗一郎】

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