オリックス山本由伸投手(24)が1日、近年では異例の宮崎キャンプ初日のブルペンに入り、全球クイックの投球を披露した。

走者なしのノーワインドアップでも、左足を全く上げずに投球。フォーム調整の一環でもあるようだが、この斬新すぎる投法がベースになるとも説明。ダルビッシュ、大谷とともに主戦に期待される3月のWBC。異例すぎる「全球クイック」で世界の猛者に立ち向かう!?

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午後の自主練習。ハーフパンツ姿に着替えた山本が突然、ブルペンに登場した。「キャッチボールの延長」と正式なブルペン投球ではないと強調したが、右腕にはみるみる力がこもった。1球ごとに時間をかけながら、中腰の捕手に鋭いボールを投げ込んだ。

フォームを見ると、明らかな違いがあった。左足が上がらない。セットポジションからノーワインドアップに移っても全てクイック。1月の自主トレ中からキャッチボールも含めて、足を上げずに投げてきた。足を上げて静止し、ためを作る特有のフォームは野球少年の間で流行するほど有名だが、今は正反対だ。

「秘密っす」と意図は濁した。スムーズな体重移動、投げるリズム…。他者には推測しかできないが、山本は手応えを口にした。「わりと固まってきている。実戦とか入ってきて、多少は変わるかもしれないけど。伸びのある球を投げられているし、ここから1つずつやっていけたら、たぶんいいものになるかな」。投法のベースはああいう感じかと問われると「そうですね」と答えた。足を上げずにWBC本番に向かう可能性すら出てきた。

変える怖さも「全くない」と言い切った2年連続4冠右腕。WBC公式球にも順応しつつある。今日2日には正式なブルペン投球も予定。近年では異例のキャンプ初日ブルペン入りで、例年とは段違いの早さで調整完了に向かっている。世界一をかけたWBCを目の前にしても、進化のために一切妥協しない。孤高の大エースが頼もしい。【柏原誠】

○…FA加入の森はさっそく精力的に動いた。ブルペンで鈴木の投球を受け、終了後にじっくりと会話。フリー打撃では大振りはせず、逆方向を意識してポイント確認を徹底した。「無事にケガなくできてよかったです。やっていること自体は(西武時代と)特に変わりはないのでスムーズにできました。まずはなじむことです」と新天地での初日を振り返った。

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