日本ハムのドラフト5位奈良間大己内野手(22=立正大)が、プロ初実戦で鮮烈なデビューを飾った。1日、沖縄・名護で春季キャンプがスタート。いきなり初日に行われた紅白戦で「8番遊撃」で先発出場し、3打数2安打1盗塁と大暴れした。その活躍は新庄剛志監督(51)の目にもとまり、目指す開幕スタメンに向け、好発進した。

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奈良間は3回に斎藤綱の直球を振り抜き、左前安打を放った。5回には河野のチェンジアップをうまく捉え、左越えの二塁打。さらに、足でも魅せた。3回に、捕手が捕球してから走り始める「ディレードスチール」を成功させた。「大学の時と比べてプロでは、普通のスタートで行ったら無理だと感じたので、ワンクッション置いた感じです」と振り返った。「全てをアピールする気持ちで入った。緊張した中では、いい結果だったと思います」と手応えを口にした。

「選手の雰囲気を見たい」と話していた新庄監督は、奈良間が放つオーラを感じ取ったようだ。この日印象に残った選手に「新人の“なまら君”。新人で2本ヒット打てるのはね」と大絶賛した。「フリー打撃から、ヘッドのスピード感あるなって思ってて。えらいヒット打って。新人にしては素晴らしいアピールをしたと思う」とほめちぎった。開幕スタメン候補にも急浮上。「捉えてるっていうものを見せてくれたら、スタメンにも名乗りを上げると思う」と語った。

常葉大菊川時代は「静岡のジーター」の異名で知られた。「伏見さんが広めました」と話し、ジーターとの愛称は、チーム内でも広まりつつあるという。初実戦で2安打を放ち、アベレージヒッターとしての素質をのぞかせた。

本人の目標も開幕スタメン。新人選手を含め、チーム内の競争が本格的に始まった。主戦場の遊撃には、上川畑や谷内らがひしめく。「それ(開幕スタメン)を目指していきたい。結果が出る人が生き残っていく世界。自分ができることをやって、それが結果につながったらいいと思う」。新庄監督の高い評価を得たデビュー戦での自信を胸に、激しい競争に打ち勝ってみせる。【石井翔太】

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