7時だよ、バットを持って全員集合! 巨人が2日、宮崎春季キャンプでは異例ともいえる、朝7時からアーリーワークを敢行した。

若手、ベテラン問わず野手勢がグループ対抗で、ティー打撃のスイング数を競い合う「モーニングG」が始まった。3年ぶりのV奪回に、振って、振って、振りまくる。

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チーム宿舎の部屋から、次々と目覚まし時計が鳴り響いた、に違いない。7時スタートのアーリーワーク。6時50分ごろ、室内練習場に続々とバットを握った選手が着いたとき、宮崎の空はまだ真っ暗だった。外国人を除く18人による、朝からティー打撃。一心不乱にスイングする湯浅、秋広、増田陸ら若手もいれば、1球1球確かめるように打つ丸や坂本もいた。ペースはおのおの。ネット目がけて振り続けた。

5時45分に5個アラームをかけた松田は言った。「でもその前に起きちゃうんですよね」。お風呂につかって目を覚まし、ユニホームの袖を通した。同時刻に起きた坂本は「キャンプはいつも僕は6時に起きているんであんまり変わらない」と泰然自若。ホテルの人に「起きなかったら、水ぶっかけてでも起こしに来てくださいとお願いします」といっていたオコエは、前夜8時半に就寝し朝4時に目が覚めた。

キャリア問わずみんなでやることに意味がある。3人組6グループ対抗戦で、クールごとに総スイング数を発表。1位チームは第2クール、免除を含めた好待遇が待っている。大久保打撃チーフコーチは「あまりにも打ってくれたら(次クール)0もあるという特典は用意してます」とプロ野球界らしく成果報酬で、罰則はそこにはない。

総大将の原監督はしみじみ「朝ご飯がおいしいよ」と、その光景を見守った。早起きは三文の徳というが、振らなきゃ分からないことがあれば、打ってこそ得られるモノがある。「その人たちを救おうぜ、という感じで若い人たちはやるんだよね」。勝ってこそ見られる景色のために、今は鍛錬。朝からバットを振りまくる。【栗田成芳】

○…先発ローテーション候補の新助っ人タイラー・ビーディ(29=パイレーツ)とフォスター・グリフィン(27=ブルージェイズ)の両投手が、並んで初ブルペン入りした。右腕のビーディは日本行きが決まってから練習している新球スプリットを試投。「三振をたくさん取りたい」と勝負球として磨きをかける。昨季は米国で中継ぎを務めた左腕グリフィンは先発再転向へ「シーズンでいいスタートが切れるようにと意識して投げた」と、開幕を見据えながら投げ込んだ。

○…セットアッパー、クローザー候補の新助っ人ヨアン・ロペス投手(30=メッツFA)が、春季キャンプで初ブルペン入りした。サインを出してもらい実戦さながらの投球で調整。来日から5日しか経過しておらず、時差ぼけも残る。MLBのビデオゲームでリラックスする最速160キロ右腕は「日本の時間に早く慣れて、日本の野球に合わせて頑張っていきたい」と早くの適応を目指す。

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