阪神近本光司外野手(28)が沖縄・宜野座キャンプ休日の3日、日刊スポーツでありのままの思いをつづるコラム「研鑽」の第2回を寄稿した。独自の1番打者論を激白した前半に続き、後半は1月に自主トレを行った鹿児島・沖永良部島や、今キャンプへの思いをたっぷりと語った。【取材・構成=中野椋】

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今年も3年連続3回目となる鹿児島・沖永良部島での自主トレに行ってきました。正直、野球をする、トレーニングをするっていうのは、そこではあんまり大事じゃないと思っていて…。

それよりも現地の人の温かみだったりを、肌で感じることを大切にしています。それはシーズンだけじゃなく、これからの野球人生、自分の人生にもつながること。ずっと野球だけをしていても、そういったことは感じられないですから。あの島に行くことでしか感じられないことがありますし、「僕も頑張ろう」という感情が生まれてきます。

そんなオフを終えて、いよいよ沖縄に来ました。今までは自分のペースで練習をやってきましたが、キャンプではそれができません。チームの流れに合わせた時、やってきたことが崩れないのか、諦めちゃうのか、より伸ばそうとするのか。自分がどうなるのかすごく楽しみです。

僕にとって、キャンプも「研鑽」の期間です。キャンプは練習でインプットしてインプットして、実戦などで「どうアウトプットしていくか」がすごく大切だと思っています。自主トレは自分の思い描いたようにやるので、想定内の結果しか出ません。キャンプはそうじゃないので。やっていることが合っているのか不安にもなりますけど、出たアウトプットをどう拾って、自分をどう見直すか。出てくる結果に対してどう感じるかが大切です。

みんな、自主トレでやってきたことをキャンプに持ち寄ります。どういうことを意識してきた、とか。なんでそれをやってるのか、とか。僕の場合は聞いたりしますね。「自分と違うな」と思ったりすることもありますけど、それも全部引き出しになるんです。チームメートや他球団の選手と一緒に自主トレをしなくても、それぞれが経験してきたことを僕に入りやすいような言葉で聞く。それが一番、情報を得るのに楽ですから。プロ野球選手のキャンプって、そういう場でもあると思うんです。

さて、いよいよシーズンが始まっていきます。毎年、良くも悪くも結果が楽しみです。良い結果であっても悪い結果であっても、こういう取り組みをしたから、こういう風に考えたから、こういう結果が出たと分かる。じゃあ、次はこういう風にしていこう、と。毎年その繰り返しです。今年も「自己研鑽」のシーズンを過ごしていきます。(阪神タイガース外野手)

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