ロッテ中森俊介投手(20)が無失点でZOZOマリンデビューを飾った。20年ドラフト2位の高卒3年目右腕は9回に登板し「マリンで投げるのも初めてだし、歓声の中で投げるのも久しぶり。ピシャっと抑えて9回裏の攻撃につなげたかった。内容的には満足いくものではないが、まずはファンの皆さまの前で投げられて良かった」。聖地に立った喜びと反省が入り交じった。

「ピッチャー中森」のアナウンスが流れると、ファンからは「オ~」とどよめきが起きた。期待の証しだ。安打と四球、味方の失策で1死満塁のピンチ。マウンドの円陣に駆け寄った黒木コーチから「初球、何でいく」と気合を注入されると「真っすぐで行きます」。スイッチが入った。「あのひと言で強気な気持ちでいけました」。150キロ直球でいきなり空振りを奪うと、フォークで三振。続く打者もフォークと直球の2球で追い込み、最後はフォークで2者連続空振り三振に斬った。

1年目は体づくり。2年目は2軍で防御率0・90も右肩痛に泣いた。「まだ1軍で1試合も投げられていない。ファンの方々は中森という名前はどこか行っちゃっただろうって、たぶん誰も覚えていないぐらい」と苦笑い。だが、今年こそ-。体のケアなどで師と仰ぐ佐々木朗が前夜にマークした165キロにも刺激を受け、「自分も日本代表に」と飛躍を決意する投球を本拠で披露した。【鎌田直秀】

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