東海大静岡翔洋中(清水)が大会4連覇(20、22年はコロナ禍で中止)を果たした。初優勝を狙う浜名中(浜松)を1-0で下し、通算10度目の頂点に立った。昨秋新人大会に続き「県2冠」を達成したチームは、第40回全日本少年軟式野球県大会(来月22日開幕)への出場権を得た。

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東海大静岡翔洋中がワンチャンスを確実に仕留め、試合巧者ぶりを発揮した。寺崎裕紀監督(33)は「苦しい展開だったが、接戦を勝ち切れたことは大きな収穫」と安堵(あんど)の表情を見せた。

決勝の舞台で池谷冴虎(ことら)投手(2年)が、投打に貢献。大会4連覇をたぐり寄せた。2回裏の攻撃では、4番・杉本晴内野手(2年)が二塁打で出塁。犠打で1死三塁にチャンスを広げると、6番・池谷が右犠飛を放ち、先制点を演出した。「打者をかえすことだけに集中した。浅い外野フライで不安でしたが、杉本の走塁に助けられました」と振り返った。投げては7回5安打4奪三振。84球の省エネ投球で、虎の子の1点を守り切った。これで準決勝・決勝の計13回を0封。好調の要因を問うと「股関節が使いやすいよう準決勝を前に、投球時の歩幅を変えてみた」と明かした。

これで2つの県大会(新人、選抜)を制覇。練習試合を含め、いまだ県内無敗のチームは、22日開幕の全国大会(第14回全日本少年春季軟式野球)に出場する。指揮官は「冬を越して選手の成長を感じた。失点が計算できるチームになり、全国大会が楽しみ」と期待した。昨年は初戦の2回戦で敗退(3●4奈良八木中)。主将の小泉慶周(よしちか)内野手(2年)は「プレッシャーに負けず、まずは先輩のリベンジを果たしたい。大会までにしっかり準備していく」と意欲を示した。【山口昌久】