ソフトバンク石川柊太投手(31)が6日、「最多勝フォーク」の復活に意欲を見せた。7日のヤクルト戦(ペイペイドーム)に先発予定。20年に11勝でタイトルを獲得したが、その武器となったフォークが今季はまだ発展途上。侍ジャパンに選ばれた同僚の近藤健介外野手(29)にもアドバイスを貰うなど、パワーカーブに次ぐ魔球磨きに意欲を見せた。

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石川には明確な課題がある。「フォークが、もうちょっと」。前回登板の2月28日ロッテ戦では2回無失点。上々の結果にも「自分の思っているフォークがいってない。球数が多くなってしまうのはフォークの質も(関係)ある」。思考を巡らせながら、ペイペイドームの投手練習に参加していた。

理想は11勝で最多勝と最高勝率の2冠を獲得した20年型。「20年はフォークがめっちゃ落ちていた。去年でも良い時はフォークで三振が取れていた。数字が良かった時はフォークがめっちゃいってたんですよね」。当時とは投球フォームなどが微妙に変化しており、再現に至っていないという。「フォームの問題もある。どういうイメージで投げるかとか…」。すでに開幕2カード目の初戦、4月4日オリックス戦(京セラドーム大阪)に先発内定しているが、慢心はない。

フォークにこだわる理由は過去の実績だけではない。昨オフ、日本ハムから新加入した近藤に「フォークどう?」と、ド直球で質問した。近藤は2学年下の後輩だが「良くない時は(フォークを)待っていない時でも打てるイメージがありますね」と、包み隠さず話してくれた。生涯打率3割7厘、出塁率4割1分3厘の巧打者。侍ジャパンにも選ばれている同僚の意見は、説得力があった。「待っていても打ち損じる」変化量を追い求めている。

7日の本拠地ヤクルト戦でオープン戦初登板する。先発で3イニングの予定。侍ジャパンで山田、村上ら主軸が不在とはいえ、昨季のセ・リーグ王者に腕試しの舞台だ。「ペイペイに帰ってきての1発目。フィーリングも確かめたい。複雑に考えず、投げてどうなっていくかを感じたうえで調整したい」。パワーカーブに次ぐ魔球を復活させる。【只松憲】

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