岡田阪神が、侍ジャパンに貴重な“韓国代表情報”を提供した。ベストメンバーの韓国に4-7で敗戦。岡田彰布監督(65)は「プラスになるならよかったけどな」と、苦笑いしながら収穫を明かした。「初球にバスターエンドランしたり、走者三塁でセーフティー(バント)とかもあって。細かいことをやってくるのかなという印象は受けた」。

初球から大胆に仕掛けくるチームだった。1点リードの5回無死一塁、代表歴も長いベテラン捕手の梁義智(ヤン・ウィジ、35=斗山)がバスターエンドランで二保の初球スライダーを右前に運び、一、三塁。試合の流れをつかまれ、この回3失点で逆転された。

8回には小林が本塁打と適時二塁打で2点を奪われ、なおも1死三塁から朴海旻(パク・ヘミン)外野手(33=LG)がこれまた初球をセーフティーバント。三塁佐藤輝が素手でつかむも一塁も間に合わず、ダメ押しの7点目の適時内野安打を決められた。

1発も浴びたが、小技も多彩。WBC開幕を2日後に控えて韓国もベストオーダーで臨んでおり、敗れても栗山ジャパンに提供できる生きた資料は多そうだ。

強いスイングで振ってくる韓国打線に対し、先発西勇は4回1失点。持ち味の制球力を生かし、左右、高低、緩急と幅広く攻めて打ち取ったデータも生かせるはずだ。韓国投手陣は小刻みに8人を投入してきた。岡田監督は「ピッチャーあんなに代わったら分からへんなあ」と話したが、昨季韓国リーグで2桁勝利を挙げた投手が先発の朴世雄(パク・セウン、27=韓国ロッテ)からの3人と5番手の左腕・李義理(イ・ウィリ、20=KIA)まで4人もいた。昨季ホールド王の鄭又栄(チョン・ウヨン、23=LG)から佐藤輝、原口が長打を放つなど、攻略へのヒントを与えた。

侍ジャパンは2試合目の10日に韓国代表と対戦する。過去のWBCでも激闘を繰り返したライバルには負けられない。阪神の敗戦が、侍ジャパンの世界一を後押しする。【石橋隆雄】

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