日本ハム万波中正外野手(22)が11日、阪神とのオープン戦(甲子園)で、12球団最多の3号2ラン。同僚の清宮に並んだ。試合をひっくり返した直後の5回2死三塁、阪神桐敷の変化球を左翼ポール際へ運んだ。オープン戦は先発出場の全3試合で本塁打。新庄剛志監督(51)が昨季命名した「モグラ打法」と完全に決別し、自身初の開幕スタメンへ突き進む。

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日本ハムの飛ばし屋とは、この男だ。3-2と試合をひっくり返した直後の5回2死三塁。チーム屈指のスイングスピードを誇る万波が、力いっぱいかち上げた打球は、聖地甲子園の左翼ポール際へ吸い込まれた。桐敷のスライダーを狙い打ち。チームメートの清宮と並び12球団最多のオープン戦3号2ランに「つくづく、いい球場。最高でした」。侍ジャパンのヌートバーをまねたペッパーミルパフォーマンスで、チームメートと喜びを分かち合った。

規定打席には届かないものの、オープン戦は打率3割5分7厘、長打率は10割と絶好調。先発出場した全3試合で本塁打を記録中だ。調子が悪くなると打撃姿勢が低くなる悪癖とは、おさらば。新庄監督は「去年とは全然違う。打席の雰囲気と左肩の開きがなくなった。今年はず~っと同じフォーム。何かを身に付け、それをやり通そうとしている」。昨季、同監督が命名した「モグラ打法」と完全に決別し、スラッガーの本領を発揮している。

WBC開幕直前、サポートメンバーとして侍ジャパンに参加した。「強く振る、強い打球を飛ばす。結果が欲しくなるとおろそかになるけど、シンプルに突き詰めているのが(エンゼルスの)大谷選手」と万波。「僕がオフに取り組んでいた方向性と似ている。さらにヤル気が出ました」と、背中を押された。

長打力を生かすため、今春のキャンプからは本職の外野に加え一塁にも挑戦し、この日は「5番一塁」で出場した。「もっともっと上を目指して、いつか今の(侍ジャパンの)皆さんたちと、同じユニホームを着られたら」。自身初の開幕スタメン、レギュラー定着の先に見据えるのは日本代表入り。背番号66の挑戦は、まだ序章に過ぎない。【中島宙恵】

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