夢のボールパークの開園とともに、プロ野球の23年シーズンが幕を開けた。日本ハムの新本拠地、エスコンフィールドで、日本ハム-楽天戦が他の5カードに先がけて行われた。1番に昨季首位打者の松本剛外野手(29)を今季初めて起用するなど、オープン戦からガラッと変えたスタメンオーダーで勝負に出た新庄剛志監督(51)だったが、楽天投手陣を攻略できず、4年連続で開幕黒星スタートとなった。

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エスコンフィールドに熱気が吹き込まれた。新球場開業は09年広島のマツダスタジアム以来14年ぶりで、1試合だけの先行開幕は71年ぶり。開幕セレモニーでは、世界的な絵本作家、五味太郎さん原作のアニメーション映像の最後に、WBC優勝に貢献した球団OBのパドレス・ダルビッシュ有(36)が大型ビジョンに登場。「世界がまだ見ぬボールパークをつくろう。2023、プレイボール」と話す映像が流れると、大歓声が起きた。

始球式も趣向を凝らした。07年まで5シーズン指揮したトレイ・ヒルマン氏(60)、08年から4シーズン務めた梨田昌孝氏(69=日刊スポーツ評論家)、21年まで10年間チームをけん引し、WBC優勝にも導いた侍ジャパンの栗山英樹監督(61)の歴代指揮官が集結。栗山監督の投球をヒルマン氏がキャッチすると、スタンドから大きな拍手が湧き上がった。

試合前の開業セレモニーでテープカットに臨んだ北海道の鈴木直道知事(42)は「WBCの熱そのままに。リーグ優勝、日本一を信じて、皆さんと一緒に応援していきます」と宣言。直後に上空を航空自衛隊ブルーインパルスが展示飛行し、空から祝福した。

周辺もお祭りムードだ。最寄りのJR北広島駅前では試合開始6時間以上前の正午過ぎで、球場に向かうシャトルバス乗り場は長蛇の列。タクシーも北広島市内を中心とする各社が通常の2倍ほどの台数を出し対応も、運転手の木村武政さん(76)は正午までの4時間で駅前と球場間を10往復以上。「盛り上がりを感じる。これから休みなく忙しくなる」。球場では開場2時間前で複数ゲートに50メートルほどの列が4つ以上でき、最前列の丸山義尚さんは「ホームランやチームが勝つところを見たい」と、気持ちを高ぶらせていた。

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