日本ハムが執念で苦手にしていた先発左腕から2点をもぎ取った。1点リードで迎えた4回1死三塁だ。「おばあちゃんが演歌が好きなので」と静岡に住む祖母のために選んだ登場曲「北酒場」に乗って、新人の奈良間大己内野手(22)が打席に立った。追い込まれてから4連続ファウルで粘って、9球目。「なんとか1点が取りたかった。ファウルを打つことで自分のタイミングになってきた」。左犠飛で貴重な2点目をたたき出した。

チームは開幕から各球団の先発左腕に苦しんできた。ここまでの対戦成績は、4試合の計24回1/3で、わずか6安打1得点。この日は奈良間ら右打者を7人起用し、5度目の対戦でようやく土を付けた。

八木打撃コーチは「奈良間が2ストライクから犠飛を打てたのは成長。2巡目で変化球をマークしている中で、直球を犠飛にできた。簡単なことではない」。初のお立ち台が新球場の新人第1号となった奈良間は、自身の名字と北海道弁をかけて「なまら温かいです!」と本拠地ファンの歓声に感謝した。フレッシュな力が勝利への後押しになり、連敗は4でストップ。5位楽天に1ゲーム差とし、21日からの直接対決で5位浮上を狙う。【中島宙恵】

○…今川が今季初の1番起用で結果を出した。「1番右翼」で先発し、1安打、1盗塁。3回無死一塁で右前打を放つと、三塁まで進塁した矢沢が松本剛の犠飛で生還し、先制点につなげた。「スタメンで試合に出たくて飢えていた。このチャンスをつかみ取ろうと思って臨んだ」。今季初の盗塁も決めた。「スタートとスライディングは完璧に決まった」と笑みをこぼした。

▽日本ハム松本剛(3回無死一、三塁で左翼への先制犠飛)「簡単には点が取れないのが事実。打者陣がもう少し打線となってつながっていけば」

▽日本ハム万波(4回先頭でメルセデスから二塁打。追加点の起点となり)「狙い球を絞って、1本ヒット打てた。近めの真っすぐを狙ってヒットにできた」