ENEOSがサヨナラ勝ちで関東選抜リーグ初戦を飾った。

元ヤクルト内野手で現在ヤクルトジュニアの監督を務める度会博文氏(51)を父に持ち、今秋のドラフト上位候補に挙がる度会隆輝外野手(20=横浜)が3安打1打点と打線を引っ張った。

2回に6点を先制されたが、1点を返しなお2死二塁の3回、フルカウントに追い込まれながらも、直球を中前適時打。大量失点後のチームが息を吹き返した。5-6で迎えた9回裏には無死一塁から、右前打を放ち、サヨナラのお膳立て。「四国大会から状態を継続できている。この大会でしっかり3本打てたのはよかったと思います」と、笑顔を見せた。

対応力をアピールした。第1打席、抜けたカーブからの高めの直球を打たされ二飛。「第2打席からは落ちる球を意識しながら、真っすぐに対応できた」。2、3打席目ともに、フルカウントからの真っすぐを捉え、外野に運んだ。

横浜時代から、バットに当てるセンスは抜群で、ENEOS入社1年目からレギュラーとして活躍している。「社会人で木のバットに対応できているのは成長。継続していきたい」と、確かな手応えをつかんだ。

この試合は、若手選手中心のメンバーで戦った。大久保秀昭監督(53)は「最後、逆転できたのは粘りとか、あきらめないという思いが引き継がれつつあるのかな。収穫の大きいゲーム」と評価した。

4月11日には、第51回JABA四国大会で10大会ぶり2度目の優勝を果たし、第48回社会人野球日本選手権大会(11月3日開幕、京セラドーム大阪ほか)に7大会連続26度目の出場を決めたばかり。昨年、都市対抗野球を制し、同大会の連覇に加え日本選手権大会の2冠も目指す。度会は「もちろん、去年都市対抗優勝して、周りから求められることも多い。やらないといけない責任はある。でも、それをプレッシャーに感じるのではなく、力に変えるくらいの気持ちで。都市対抗2連覇を目指してやっていきたい」と、元気よく話した。【保坂淑子】