今秋のドラフト候補に挙がる最速152キロ右腕、草加勝投手(4年=創志学園)が2安打完封で今季4勝目を挙げた。

2回、5番古山慎悟外野手(4年=東北)の右越えソロ本塁打で先制。6回には、1死一、三塁から公文幸汰外野手(4年=高知)のスクイズで貴重な追加点を挙げた。

今の草加には、2点あれば十分だった。生田勉監督(56)は「今日が1番調子が悪かったように思える。正直9回まで持つとは思わなかった」と話すほど、自慢の制球力が定まらず4四球。それでも、持ち前の修正力と、打者のタイミングを外す投球術で逃げ切った。「投げ急いで頭が突っ込んで、体が外に振ってしまっていた。間を作るというか、横の時間を長くしました」。投球フォームの際には打者を見て、足を上げたり、クイックで投げたり、微妙にタイミングをずらし打ち取った。

これで、今季4勝、全てが完封勝利。「チームの勝ちが優先。勝利につながるようなピッチングができたのでよかったと思います」と、笑顔を見せた。

この日は先発メンバーのうち、投手を含め8人が4年生。先制の本塁打を決めた古山は「自分たちの代で1部のバトンを落としたくない。メンバー外の4年生が率先してボールボーイやバッティングピッチャーをやってくれる。試合に出ている4年生は、その責任を果たすだけです」と言い切ると、隣の草加も、大きくうなずいた。

この試合を7球団12人のスカウトが視察。西武の潮崎哲也編成グループディレクターは「上半身のブレが少なく、コントロールがいい。変化球の使い方がうまい。試合を作れる投手」と評価した。