25年3月開場を予定する阪神2軍施設「ゼロカーボンベースボールパーク」の起工式が18日、兵庫県尼崎市の小田南公園で行われ、球団の杉山健博オーナー(64)や同市の松本真市長(43)ら約90人が参列した。

現在の西宮市鳴尾浜から全面移転する。敷地内には2軍本拠地になる「日鉄鋼板SGLスタジアム尼崎」のほか合宿所、室内練習場なども建てられる。新球場の実際のホームベースになる位置で、オーナーらによる始球式も行われた。

練習環境は格段に良くなる。室内練習場は甲子園室内練習場の1・5倍近い広さになることが明かされた。打撃練習レーンは6カ所。うち3レーンはボールを自動回収するシステムを導入する。

阪神大物駅から徒歩3分とアクセス抜群。約3600席を用意する球場を中心に、ファンとの距離が近い活動拠点になる。大物駅は阪神本線と阪神なんば線の合流駅で、グラウンドに2本の線路が迫る独特の景観。電車内からも球場内の様子が見られる見込みだ。

百北幸司球団社長(62)は起工式でのあいさつで「乗車の方々からも常に熱いまなざしを感じられると思う。プロ野球選手はファンに見られることで大きく成長する。その面でもこれ以上ない環境」と期待した。

その後取材に応じて「練習環境を整備して常勝球団を作るのが一番の目的。若い選手が育って1軍で大活躍することを夢見ています。これだけの規模で投資していただいたら、我々としたらぜひとも『アレ』(優勝)を継続的に目指していかないといけないと強く思っています」と完成を待ち望んでいた。