九産大が九共大との首位直接対決を制し、3季ぶり、リーグ最多タイ45度目の優勝を飾った。1勝1敗で勝った方が優勝する大一番で、3得点全て盗塁を絡める機動力を発揮した。6月5日開幕の全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)の出場が決まり、初戦で中部大(愛知大学)と対戦する。

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九産大は1番田浦由亮内野手(4年=秀岳館)、2番浦田俊輔内野手(3年=海星)の快速コンビが、王座奪還に貢献した。

1回、ソフトバンク田浦文丸の弟、由亮がチーム最速50メートル5秒7の俊足でかき回した。四球で出ると、相手先発の大きなモーションを盗んで二盗。2死二塁から4番の左前打で先制ホームを踏んだ。50メートル5秒8の浦田は、3回に二盗を決め、1死二塁から3番の右前打で生還。二、三盗を決めた5回には右犠飛でチーム3点目を加え、「機動力が売り。三盗はサインなしでしたが行けると思った」。大久保哲也監督(60)の「ズルズル負け続けたら九共大の時代になる。止めたい気持ちで入った」という思いに応えた。全3得点に絡めた盗塁は計5つだった。

全国舞台へ「足でかき回したい」と浦田。今年プロ入りした渡辺翔太(楽天)、中村貴浩(広島)、野口恭佑(阪神)を擁しながら優勝できなかった昨季の分も暴れる。【菊川光一】

○…九共大は3季連続優勝を逃した。今季最多タイ4勝の最速153キロ右腕、木村仁(4年=北九州)が、6四死球など制球が定まらず5回3失点で2敗目。打線もわずか4安打に抑えられ、零敗。主将の梁瀬慶次郎内野手(4年=長崎日大)は「塁に出ても、ゲッツーなどであと1本が出ず、リズムをつくれなかった。完敗です」とうなだれた。

◆表彰選手 ▽最優秀選手賞 楠本宏武(九産大)▽敢闘賞 木村仁(九共大)▽防御率1位 今村虎楠(日経大)=1・21▽本塁打王 誉田貴之(福工大)=4本塁打▽盗塁王 田浦由亮(九産大)=8盗塁▽打点王 本田蒼空(九産大)=19打点▽首位打者 菊池壮真(九産大)=4割1分9厘▽特別賞 梁瀬慶次郎(九共大)=満塁本塁打▽ベストナイン 江越永輝投手(九産大)菊池壮真捕手(九産大)本田蒼空一塁手(九産大)田浦由亮二塁手(九産大)根路銘太希三塁手(九共大)浦田俊輔遊撃手(九産大)中溝隆太外野手(福工大)園田琉斗外野手(九産大)宮城琉人外野手(九共大)指名打者・大浜快晴(九共大)